アメリカの下院議会はトルコに対する、国際金融機関からのローンを、指し止めすることに合意した。そのなかには世銀、ヨーロッパ開発銀行などが含まれる。このことはトルコの経済に、しかるべきダメージを与えることが、予想される。
ただこの議決は、人道的な支援目的は、該当しないということだ。それはアメリカなりの、屁理屈、言い逃れではあろうが。
そもそも、今回のロ-ン指し止め決議は、トム・チリス、ジェーン・シャヒーン、ジェームズ・ランクフォード、ビル・ネルソン議員たちが提案したものだが、それはトルコに20年以上滞在する、アメリカ人牧師ブランソン氏の釈放を、目的とするものだ。彼はノース・カロライナの出身だということだ。
彼ブロンソン氏が逮捕投獄され、今では自宅軟禁となっているのは、PKKに関与していたことや、ギュレン・グループに関与していたことなどが、挙げられている。
ブロンソン氏に加え、これらの議員たちは在トルコ・アメリカ大使館の、現地雇用者についても、釈放を要求しているし、ギュレン・グループのメンバー、PKKのメンバーについても、公正な裁きを求める、ということであろう。
ただ、この議会決議が実行に移されるためには、上下両議会で通過し、大統領がサインをしなければ、ならないのだ。従って、下院議会で決議されたと言っても、すぐに実施とはならないということだ。ただ、今回の議決は世界の金融界に影響を及ぼし、トルコとの経済関係を弱体化させることには、繋がるものと思われる。
こうしたことを見越してであろうか、トルコは中国の銀行から、36億ドルの借り入れを決めている。これにはエルドアン大統領の義理の息子、ベラト経済大臣が中国を訪問して、取り付けることに成功している。また、トルコはアメリカではなく、BRICSとの関係強化を、言い出している。