アメリカのトランプ大統領がイランに対して、歩み寄りの発言をした。曰く『アメリカは核に関する本格的な交渉を、イランと始める。』と語ったのだ。これは何を意味するのであろうか。
トランプ大統領はつい最近まで、イランに対してありったけの罵詈雑言を、はいていたにもかかわらず、何がトランプ大統領の考えを、変えさせたのであろうか。
こうしたトランプ大統領に対して、イランのロウハーニ大統領は、トランプの主張には論理性がなくめちゃくちゃだ、と非難している。そのうえでロウハーニ大統領は『ライオンの尾を踏むようなことはするな。』と警告している。
アメリカが世界各国に警告を発し、イランの石油を輸入しないように、画策している。これに対しイラン政府は、その様なことになれば、ホルムズ海峡を閉鎖する、と逆に警告している。
こうしたアメリカとイランの争いを前に、ヨーロッパ諸国やトルコは、イランとの正常な取引を、継続する意向のようだ。どうやら、何時でもアメリカの言いなりになる日本ですら、なんらかの取引をイランとすることを、画策しているようにも思える。
つまり、トランプ大統領の発表したイラン制裁案は、反対する国々が増え、どうも支持されない、ということのようだ。そのために、トランプ大統領は新たな交渉を、イランと始める意志を、示したのではないかと思われる。
イランにしてみれば、笑いが止まらないであろう。大口の石油輸入国であるインドも中国も、そして韓国もアメリカの意向を、聞き入れる意向はないようだ。そうなると、イランの石油は大量にアジアのマーケットに、流れ込むことになろう。
同じ様に、トルコがアメリカの意向に沿わず、イランとの貿易や石油取引を、継続するつもりでいることから、イランの石油はヨーロッパ側にも、流れるということであろう。
トランプ大統領は貿易で、ヨーロッパ諸国に対しても中国同様に、高関税をかけると言い出し、顰蹙を買う結果となり、ヨーロッパ諸国の多くが、あからさまにアメリカに、反発するようになってきている。
北朝鮮を相手にした場合に、トランプ大統領は相当の圧力をかけることにより、キムジョンウン首領をシンガポールに呼び出し、交渉し、ある種の合意を得たと宣伝した。しかし、その合意の内容は何も明らかにされていないし、核爆弾の廃棄についても、期限の付いていない、空証文のようなものだった。
イランに対しても、トランプ大統領は大口をたたき、その後に刀を鞘に納めるのであろうか。いまのところは、そんなハッタリと脅しの外交が、成功しているように見えても、長くは続くまい。アメリカの経済は火の車なのだから...