イランも中央銀行のバリウッラー・サイフ総裁は、イランの通貨の対ドルレートを、二重基準にすることを発表した。それはイランの通貨リヤルが、ドルに対して、下げ過ぎているためだ。そのことによって、ビジネスマンが被る被害は大きく、放置できないために、とられた方策だ。
中小のビジネスマンはこの新方式で、ドルのリヤルに対するレートを、輸出入業者間で、自由に合意することが、出来るようになった。ただし、これらの業者が取引する物資には、石油やガスは含まれず、石油製品も含まれない。
また、色のついたミネラルも、除外されるということだ。その色の付いたミネラルとは、多分、ラピスラズリやトルコ石を、意味するのではないか、と思われる。正しい答えを知らない、ラピスラズリやトルコ石というのは、あくまでも私の勝手な推測だが。
イランの通貨リヤルは2017年代には、1ドルに対して37700リヤルであったものが、45000リヤルに値下がりし、いまでは、87000リヤルまで下げている。これではビジネスマンはやっていられないだろう。
以前、通貨戦争が発動されたと書いたが、この状況はまさに、通貨戦争であろう。アメリカのトランプ大統領は、イラン制裁のために、核合意を破棄し、世界の国々に対して、イランに対してドルを融通することを抑え込み、加えて、『イランの石油を買うな、買うなら制裁する。』と言い出している。
イランのロウハーニ大統領は、ヨーロッパ諸国を歴訪するなかで、アメリカの核合意からの離脱は、結果的にアメリカを、孤立させることになる、と語った。加えて、イランの石油禁輸宣言も、『アメリカが世界のなかで孤立する、原因になる。』と非難している。そして、『アメリカはイラン石油の輸出を、止めることは出来ない。』とも語っている。
イランは国家が石油を輸出するだけではなく、民間業者にも石油輸出を、許可していることから、ロウハーニ大統領が主張するように、大筋では成功しても、そのアメリカの規制は、困難となろう。
日本もイランからの石油輸入で、トランプ大統領の方針に、従わざるを得ない状態にあるが、現在5パーセント程度まで,減量している輸出が、今後どうなるか、気になるところだ。