NO:5168 7月 15日 『中東短信』

2018年7月14日

 

:エジプト二つ

 カイロの隣接地ギザで列車事故が起こり、55人が死亡と伝えられた。列車が派手に横転していることから、相当な負傷者も出ていることであろう。

 カイロ空港燃料タンク爆発事故は、テロではなく気温上昇に、伴うものだったようだ。まずは一安心。しかし、この爆発事故でも負傷者は出ている。

 

:トルコ数件

トルコのエルドアン大統領が、トランプ大統領の呼びかけに、応えたのであろうか。NATO諸国はしかるべき金額を、出すべきだと言い始めている。トルコの現在の経済状態からすれば、大分思い切った発言だと思われるのだが。これは先に言い出すことにより金額を減らす考えなのか、あるいは、アメリカの輸入規制軽減のためなのか、真偽は不明だ。

ベラト経済大臣はトルコにとって緊急の課題は、インフレ阻止だと語っている。そのとおりであろう、暑い夏のなかでインフレがもっと昂じていけば、庶民感情は暴発する危険があろう。

在米のギュレン氏の状況について、トルコ政府はアメリカから出られなくとも、彼は既に死に体にあると報じている。確かギュレン氏は76歳程度だったと思う。日本ではそう高齢ではないのだが、トルコ人にしてみれば、高齢ということなのであろうか。あるいはこれは、反ギュレン熱を下げて行く、前兆なのかもしれない。

エルドアン大統領はロシアとNATOは、対話すべきだと提案している。アメリカの攻勢の前に、NATO諸国はロシアに対する、敵対姿勢を強めているが、それはヨーロッパ諸国にとっては、必ずしも得策ではあるまい。エルドアン大統領は米露関係を、バランスしているようだが、それがうまく行けば、今回のアドバイスは有効となろう。

トルコがパキスタンに攻撃ヘリ30機を、輸出することが決まった。これでトルコは立派な兵器輸出国に、なったということであろうか。問題はトルコの兵器企業と、何処の国の会社が提携しているか、ということだ。例えば、ヨーロッパやアメリカの会社なら、パキスタンに対して兵器を輸出することには、規制がかかろう。つまり、その規制を逃れるためのものではないか、という懸念が浮かぶ。

 

:その他のニュース

トランプ訪英にデモ1000人が参加、ロンドン市ではトランプのベビー・ドールなる風船が上げられ、大騒ぎになったようだ。英女王がトランプに会ったことも、大衆の間では不評であろう。

カリフォルニアの衆議院だと思うが、イスラエルの今やっていることは虐殺だ、と非難している。その意見に反対はしないが、このことがこの先、アメリカ国内で反ユダヤ熱を上げていくことに、繋がらないことを祈る。世界は各地で第一次世界大戦後のような、雰囲気になってきており、アメリカでもホロコーストは起こりうるからだ。