トルコの大統領選挙では、野党CHPからインジ氏が立候補した。彼はエルドアン大統領にどこか似た感じの、攻撃的な性格の人物のように思えた。結果は、彼が選挙で敗退したが、公約としていた『敗北したら政治家を辞める。』という話は、何処かへ飛んでしまった。
その後、CHPの代表に誰がなるのか、という話が持ち上がり、インジ氏は自分に党首の座を譲るべきだ、と吠え始めた。彼はトルコ各地で開催される、CHPの大会でそのことを、主張してきている。
そして、遂にはクルチダウール党首とインジ氏との、激突へと発展している。トルコ北西部のキルクラレのメフメト・シヤム氏は、インジ氏に対する党員の支持は既に、30パーセントを超えている、と語っている。
インジ氏が強気で党首になることを、希望しているのは、大統領選挙で8パーセントの票を獲得したことにあり、それは党が得た票よりも、多かったということのようだ。インジ氏は確か大統領選挙では、30パーセント程度の票を獲得しており、エルドアン大統領は52・6パーセントを、獲得している。
ところが、議会選挙ではCHPは22パーセントしか、得票していないのだ。この30パーセントと22パーセントの差が、インジ氏を強気にさせているということだ。
インジ氏は『党内を分裂させるつもりはないが、党が立候補を阻止する壁には、なるべきでない。』と言っている。
しかし、どう見てもインジ氏の強気の姿勢は、変わり様がないし、党の地方幹部などのインジ氏支持も、強まっていることから、党内での対立は、明らかになって来よう。それはエルドアン大統領にとっては、極めて好都合なことではないのか。