エジプトのシナイ半島北部には,IS(ISIL)が陣取って久しい。彼らはそこでイスラエルから武器を買い、他のテロリス・グループに売ったり、シナイ半島の部族に売りつけていた。同時に、シナイ半島をIS(ISIL)の国家にしようと、エジプト軍と戦闘を繰り返してきてもいた。
エジプトでは北アフリカ側(シナイ半島ではないアフリカ大陸側)で、IS(ISIL)はテロを繰り返してきてもいた。しかし、それはエジプトの軍や警察のメンツから、国家の安定を脅かすものとして、徹底的なIS(ISIL)打倒作戦が、繰り返し行われて来た。
シナイ半島の場合は、部族との連携が図られ、エジプト軍はIS(ISIL)側の情報を入手し、攻撃作戦を立てて来ていた。その結果、北シナイのシェイク・ズエイドで、IS(ISIL)の拠点がエジプト軍の攻撃を受け、リーダーのアブ・ジャーファル・マクデシ―が殺害されることとなった。
トルコではイスタンブールでIS(ISIL)の一斉検挙を始めた。結果的にトルコ政府の発表によれば、イスタンブールだけで43人のIS(ISIL)が、逮捕されることとなった(イランはトルコでのIS(ISIL)逮捕数は100人を超えていると発表している)。トルコもエジプト同様にIS(ISI)の活動が活発になっていた。
IS(ISIL)はシリアやイラクの戦場から逃亡し、トルコに潜伏していたものだ。トルコのイスタンブールを始めとする都市部は、IS(ISIL)の戦闘員が隠れ住むには好都合だったし、トルコ政府はそれを最近まで、黙認していたのだ。
シリアでもイスラエルに近いゴラン高原周辺、(ISIL)は陣取ってきたが、最近のアメリカとロシアのトップ会談後、ロシアはシリア軍を支援し、ゴラン高原周辺からIS(ISIL)を追放する作戦に出た。この作戦はアメリカも黙認したのであろう。作戦に先立ち、アメリカは反シリア側のテロリストたちに対して、支援できないと宣言していたのだ。
シリアの場合はホワイト・ヘルメット(人道支援団体というが実態は傭兵部隊)を、ゴラン高原経由で、イスラエルに逃亡させ、それをヨルダンに移送する、という作戦がとられたし、そのホワイト・ヘルメットに交じって、IS(ISIL)の幹部なども逃れている。
一般のIS(ISL)戦闘員たちも、デラアなど一か所に集められ、そこからイドリブに、移送されている。シリア側はその後、イドリブに一斉攻撃をかけ、IS(ISIL)掃討作戦を、行うつもりのようだ。