『ISの特攻モースル近郊で』

2018年7月10日

 ISがいまだに活動を展開しているようだ。しかし、それは以前のような、大規模なものではなさそうだ。モースルに近いサラーハデーンの近くの、バイジ油田近郊でイラク軍と、ハシャド・シャアビーというミリシアの基地に、IS(ISIL)が特攻作戦を展開した。

 結果はイラク軍側の反撃で、4人のIS(ISIL)テロリストが死亡し、負傷者が逮捕され、それ以外にも一人逮された。

 IS(ISIL)のテロリストはこの近くの、無人の家に立てこもって、作戦を練っていたようだ。石油基地に近い場所での、特攻作戦は初めてのことだ、とイラク軍は語っている。このテロが起こったサラーハデーンは、2年前にイラク軍が激戦の末、IS(ISIL)から奪還した場所だ。

 最近になって、数日前からIS(ISIL)の活動が活発化しており、イラク軍は警戒していた模様だ。このサラーハデーン以外にも、キルクークの近郊でも、IS(ISIL)の動きがみられていた。

 治安広報センターの責任者である、ヤヒヤ・ラスール将校はニノイでは、9本のトンネルを発見し、イラク軍が破壊したと語っている。イラクの合同軍がトンネルを攻撃して、破壊した模様だ。

 イラクばかりではなく、シリアでもIS(ISIL)の動きが、活発化してきているのかもしれない。シリアに駐留するロシア軍は、厳重な警戒態勢を敷き、兵員を増加して対応している。

 シリアの場合は南部地域で、IS(ISIL)は展開しているようだ。それは述べるまでもなく、ヨルダンやイスラエルに近いということであり、IS(ISIL)にとってはシリア南部からの、両国への逃亡は容易であろう。

 IS(ISIL)の活動、再活性化してきているということは、スポンサーからの支援が増えている、ということではないのか。シリアではロシア軍の活動が、大きな成果を挙げ、シリアはほぼ解放された、という見方が広がっている。それはアメリカを始めとした、西側諸国にとっては、うれしくない展開であろう。