『UAEとオマーンが対立』

2018年6月 9日

 

 アラブ湾岸諸国のオマーンと、UAE(アラブ首長国連邦)との関係が、おかしくなって来ているようだ。問題はオマーン側から起こっているが、その原因はUAEにある、というのがオマーンの主張だ。

 オマーンはUAEがオマーンに対し、スパイ行為を行い、歴史遺産の略奪を考え、知的財産を奪おうとしている、ということだ。これはオマーンの伝統製造部門議長のイスラム・ビン・アリー・ラワシ氏が語ったものであり、UAEはそうした活動を、継続して行っているということだ。

 彼に言わせると、UAE2011年以来、スルタン・カーブース国王に関する、スパイ行為も働いている、ということのようだ。そして、UAEはオマーンのムサンダム地域を、領有することを狙っている、という話なのだから尋常ではない。

 こうしたことから、オマーン政府はUAEの銀行の、オマーン国内での活動を、禁止するに至っている。

 他方、サウジアラビアとUAEは、石油・ガス・核エネルギーなどの部門で、協力していくことに、合意している。ジェッダに関する会議でも、サウジアラビアはUAEと話し合い、クウエイト・バハレーン・カタール・オマーンは招待しなかったが、エジプトが参加している。

 カタール問題や、イエメン問題で明らかなように、サウジアラビアとUAEは協力して、アラブ湾岸地域での主導権を、握ろうとしているという不安が、オマーンでは高まっているのであろう。

 その事が悪化していった場合、オマーンからのエネルギー輸入に問題が発生することになろうし、アラブ湾岸諸国からの石油・ガス輸入にも支障が出てこよう。従って、このオマーン問題は、日本は楽観しないほうがいいだろう。