トルコの大統領選挙投票は24日に行われるが、23日はエルドアン大統領が、イスタンブールで12回の演説を行った。インジ氏もそうであろうから、まさにデッド・ヒートといった感じであろう。
驚くのは、この選挙演説集会に集まるトルコ人の数だ。何十万人という人達が、ガナリ立てる意味の無い言葉を、聞きに集まるのだ。つまり選挙演説会は言わば、お祭りのようなものなのであろうか。
外国特にヨーロッパやアメリカのマスコミも、それだけに関心が高いようで、外人ジャーナリストの選挙取材陣は、600人を越えているということだ。そのなかには、反エルドアン派もいれば、親エルドアン派のジャーナリストもいよう。
トルコの警察はこれら外人ジャーナリストの、行動にも監視の目を向け、選挙違反の防止も監視するのであろうから、大忙しであろう。加えて、ISなどテロリストの選挙会場に対する、テロも警戒しなければなるまい。
外人選挙監視員の数に、うんざりしているトルコ首相は、クレームを付けているが、追放するわけには行くまい、既にドイツとスエーデンの監視員は、野党やクルドとの関連があるとして、入国を拒否されている。
選挙騒ぎの裏で眼を引いたのは、在ドイツ外交官が300人も、政治亡命申請をしたことだ。このことは、エルドアン大統領の落選を、予測してのことかもしれない。同様に、親AKPであるMHPの党首が、AKPとの関係を再考する、と言い出している。
誰が当選するか分からないが、一部ではエルドアン大統領の得票数は、42・5パーセントと出ている。CHPのインジ候補は27・1パーセント、IYI党ンのアクシェネル候補は16・7パーセントと予測されている。そしてクルドHDPのデミルタシ候補は11パーセントとなっている。
同時に行われる国会議員投票の予測は、AKP議員が37パーセント、CHPが23・4パーセント、IYI等が15.7パーセント、クルドのHDPが14・1パーセント、MHPが6.5パーセントとなっている。与党側の連合政党得票数は43.5パーセント、野党側連合得票数は42・1パーセントと予測されている。
この予測ではエルドアン大統領の、第一回投票での当選は不可能であり、二回目の投票でも連立を組まなければ、大統領になれないという厳しいものだ。それですら無理かもしれないのだ。
そうしたことからであろうか、エルドアン大統領は連立を何度も口にしてきている。その足元を見すかしたのであろうか、連立候補のMHPはAKPとの関係再考を口にしているのだ。いずれにせよ選挙が行われ、その結果は間も無く出よう。