トルコで6月24日に行われる、大統領選挙と国会議員選挙で、エルドアン大統領の所属する与党AKPは、相当苦しい戦いを強いられそうだ。世論調査の結果を見ると、既に与党AKPが過半数を取れないのではないか、という予測が出ている。
その場合、与党AKPはどうするのであろうか。そのことについて、AKPと連帯するMHP党の党首バフチェリ氏は、再選挙がありうると語った。これまでも、与党が不利になると、その都度法律を変えてきていることから、今回も何の問題もなく、法律を変更し、再選挙に持ち込むことが、出来るというのだ。
もし、与党AKPが過半数に満たなかった場合、連立内閣を組まなければならないことになる。そして、そのことは与党AKPの力を弱めることは、明らかであろう。そのために再選挙案が、出てきているのだ。
MHP党首のバフチェリ氏は、エルドアン大統領と再三会合をしていることから、今回の彼の発言は、エルドアン大統領の考えだ、ということではないのか。そもそも、大統領選挙は来年に予定されていたものが、経済の悪化が進む中で、早めた方がいいという考えから、今年に変更されているのだ。
もう一つの問題は、クルドの政党DHPがどこまで、票を伸ばすかということだ。もし、DHPがこれまでのように、10パーセント以上得票すれば、しかるべき人数の議員を、国会に送り出す事が出来る。
しかし、もし、DHPが10パーセントに満たなかった場合は、クルドの得票全てが、選挙結果第一党になった党に、回されることになる。従って、国会議員もその党に上乗せされることになリ、大統領についてもしかりだ。
エルドアン大統領が恐れているのは、まさにそのことだ。そして、対抗馬のCHP大統領候補インジ氏は、エルドアン大統領にも勝る激しい演説をする、強硬派の人物だ。トルコ国民は激しい演説をする人物、強い人物を支持するのだ。
選挙はもうじきに迫ったが、選挙活動はまさにデッドヒートということであろう。