リビアの石油積出港は、ほとんどが同国の東側の地域に固まっているが、そのなかでも大きい港は、ラースラヌーフでありシデルであろう。その二つの石油積出港が反政府派のミリシア・グループによって攻撃され、大分破壊されたようだ。
これらの積み出し港からは、24万バーレル・日の輸出が行われていたのだが、今回の攻撃でそれが、止まってしまったということだ。そのことは、リビアが石油によって得ていた外貨が、止まるということを意味しており、長期化すれば、リビア国民は食料にも、困る状態に陥ろう。
問題は石油を積み出す前に貯蓄しておく、タンクがラースラヌーフでもシデルでも、破壊されてしまったことだ。これでは港に石油が無いわけであり、積み出すことはできない。このため外国のタンカーは積み荷無しで、リビアの港から離れることになった。今月の18日に入港する予定の、タンカーも同様であろう。
反体制派ミリシアのリーダーである、イブラヒム・ジャスランはリビア政府が、石油収入を公平に分配されていないことに怒り、今回の行動に出たと説明している。以前からリビアでは石油収入の分配をめぐったり、石油施設を抑えるため、ミリシア間の戦闘が繰り返されてきていた。
今回の戦闘はリビア東部のデルナに対する、ハフタル将軍側の攻撃がほぼ成功したことに、起因しているのかもしれない、デルナもまた小規模ではあるが、石油の積み出し港になっていたからだ。
今回のラースラヌーフやシデル積出港に対する、攻撃と施設破壊が、石油の国際価格変動に、影響を及ぼすかどうかはわからない。ただ言えることは、石油の相場は小さなニュースでも、価格変動の理由に使われてきている、ということだ。従って、今回のリビアで起こった積出港に対する攻撃は、立派な石油価格引き上げの理由に、なるかもしれない。