映画で有名になったオリエント・エクスプレスは、ヨーロッパと中東(トルコ)を繋ぐものだった。その列車を舞台に映画が製作され、一躍世界中の人々の注目を集めた。しかし、いまでは長距離移動は飛行機が主体となったために、列車での移動はすたれていた。
ところがここに来て、トルコはブルガリアとの間で、新鉄道の路線を開くことで、合意した。それはトルコのイズミールから、延々ブルガリアまで、233キロの鉄道レールを、敷設するというものだ。
トルコの担当者はこれが鉄道のシルクロードであり、ブルガリアとトルコのアナトリア地方、そして中東から極東までを、繋ぐものだと語っている。そして、鉄道はトルコとブルガリア、そして、ヨーロッパの間の移動を、容易にするとも語っている。
トルコの本音は、この鉄道が開設されることにより、トルコが明確にヨーロッパの一部をなしていく、ということであろう。トルコは何につけヨーロッパの一部だ、ということを強調したい傾向がある。
トルコとブルガリアの担当者会議は、イズミール県のユルドルム市で開催され、合意されたが、この新鉄道はハイ・スピード鉄道と名売っているだけに、時速200キロで走行する、」と発表されている。
さて、鉄道路線そのものは、トルコの技術で十分可能であろうが、電車そのものは中国製を取り入れるのか、あるいは日本製になるのか、まだ発表されていない。ここでも中国の台頭が、あるかもしれない。そのことを意識して、トルコは鉄のシルクロード、と呼んでいるのかもしれない。
この電車が運航されることになったら、人生最後の夢の旅行として、乗ってみたい気がするが,いかがであろうか。オリエント急行の様な、豪華なものではないかもしれないが、車窓から見える光景は、一見の価値があると思われる。