『イスラエルは追い込まれているのか』

2018年6月 4日

 

 イランの治安トップのアリー・シャムハニ氏が,イスラエルについてコメントしている。このコメントはイランの最高指導者ハメネイ氏の、意見でもあろうと思われる。彼に言わせると「イスラエルの黄金時代は終わった。」ということになる。
 イスラエルにとっては、イラクとシリアでのIS(ISIL)の敗北は、大きなダメージであったようだ。加えてパレスチナ問題も,再度ムスリム世界のトップ・イッシューになっている。ネタニヤフ首相はイランがシリア国内に、軍事基地を有しているというが、イランはそれを全面否定し,イランがシリアに送っているのは軍事アドバイザであり、兵士ではないと答えている。
 イスラエルが占領するシリアの領土ゴランに対して、シリアはミサイル攻撃をしている。そしてシリアのミサイルがイスラエルの戦闘機などを、撃墜するようにもなって来ている。そうしたことがシリア軍をして、ゴラン高原近くの戦略地域の、奪還を考えさせるように、なってきているのだ。
 アメリカやロシアのイスラエルに対する対応にも、変化が出てきている。アメリカはイスラエルに対する軍事援助を、10億ドル減らしたし、ロシアはあからさまにシリアを、支援するようになってきている。ヨーロッパ諸国では反シオニズムの発言が,公然とに行われるようになり、それをヨーロッパ社会は非難しなくなってきている。
 誰かが言ったように、ユダヤ人はあまりにも自己防衛本能が強かったから、結果的にヨーロッパで虐殺にあったのかもしれない。そのことについて確証はないが、大衆は小さな口実でいとも簡単に、暴発する危険な性格を持っている。
 アメリカでもユダヤ人の富の独占に対する、非難が出てきている。アメリカでのイスラエル人やアメリカのユダヤ人によるスパイ行為は、一般人の間でも激しいことが、知られれるようになってきている。
 世界はもうドイツで起こったホロコーストや、ロシアで起こったポグロムを、ユダヤ人が受けた歴史的悲劇とは、受け止めないようになりつつあるのかもしれない。