『トランプは弁慶になったのではないか?』

2018年5月24日

 

 子供の頃読んだマンガに義経と弁慶の話があった。弁慶についてはいろいろな話が書かれてあり、何通りもの解釈と解説があったが、印象に残っているのは、弁慶が背中にかごを背負っており、その中にいろんな武器を、入れていたということであり、それは挿絵入りだった。

 子供の頃はそれを見て、弁慶はすごいなあと思ったのだが、いまになってみると、弁慶とは何と愚かな男だったのか、ということになるのだ。ある言い方をすれば、彼は極めて臆病な性格であり、自分に自信が無かったのではないのか、ということだ。

 彼が多くの武器を入れた籠を、背負っていたということは、とても戦闘できる状態には無かった、ということだ。軽装の刀一本を持つ少年義経に、弁慶が負けたのは当然であったろう。

 いまのアメリカ、しかも、トランプ大統領はこの弁慶に、よく似ているのではないか、とふと考えた。彼は『軍事大国アメリカの大統領』であり、彼が脅せば何処の国も震え上がり、言うことを聞くようになるとでも、思っているのであろうか。

 日本という弱虫の臆病な国は、トランプの言いなりになるのであろうが、その日本ですら心の中では、舌打ちしているのではないだろうか。少なくとも心ある多くの日本人は、盲目的にアメリカに追従している、政府の方針に賛成してはいない。

 ましてや、ヨーロッパ諸国はトランプ方式に、苦虫を噛み潰しているのではないか。成金のような粗野な振る舞いをする者を、最も軽蔑するのが歴史と伝統を誇る、ヨーロッパのほとんどの国であり、そのリーダーたちであろう。

 浅い思慮と分別で次々と閣僚の首を切り、外国を敵視して、怒鳴りまくるトランプは、とても世界をリードする、大国の大統領とは思えない。私がそう感じる何倍も、アメリカのインテリたちは、トランプ大統領にそう感じ、怒っているのではないのか。

 最近ニュースになったものに、ドイツのメルケル首相がロシア語で、プーチン大統領と話した、というものがあった。『プーちゃんもうあきれるしかないわよ、彼って日本の漫画に出てくる意地悪で乱暴な子、なんて言ったっけあの子の名前、、そうそうジャイアンよ、彼に良く似ているわ。』そんな会話を交わしたんじゃないかと、思えて笑えてならない。

 しかし、冗談ばかりは言っていられない。アメリカ・ジャイアンがばら撒く武器は、何百何千何万の人たちを殺しているのだから。そのような行いは世界中から嫌われ、やがては孤立することになろう。それは時間の問題だ。

 彼ばかりではない。いま世界にはびこるジャイアン大統領、ジャイアン首相たちは、やがて表舞台から、姿を消していくことになろう。いま世界はその最終局面に、向かっているのだから。