『サウジアラビア皇太子暗殺未遂事件』

2018年5月18日

 

 エジプイトで警察幹部とお茶を飲んで、話していた時のことだが、彼がとんでもないことを口にした。当然、聞き返したのだが、返事は同じだった。それは、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子を狙った、暗殺事件が起きたという話だった。

 事件現場はサウジアラビアの首都、リヤド市の近郊であり、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子のガード19人が、殺害されたという話だ。

 ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は多分、通常は3~40人のガードで、固められ守られている、ということであろう。それにしても、これだけのガードが殺害されたのだから、状況はまさに戦闘だったのであろう。

 暗殺者側の詳細な状況は、伝えられていない。一部は当然死傷し、一部は逃亡したのではないか、と思われる。その逃亡組が今後どう動くのか、今回の殺害で暗殺集団は、どう報復に出るのか、気がかりだ。

 さて、何故いまの時期に、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子暗殺事件が、起きたのであろうか。考えられることは、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の急激なイスラム穏健化政策に対する、反発であろう。その事は、何度かこれまでのブルグのなかで、触れてきたつもりだ。

 加えて、サウジアラビアの経済が、相当悪化しているからではないか。このブログで紹介したサウジアラビアのメガ・プロジェクトは、アナウンスされただけで、全く手が付けられていない、ということだ。そのメガ・プロジェクトに充てる資金が、無いからであろう。

 また、これまではサウジアラビアの国民が、やりたがらなかったような仕事、例えばゴミの処理などを含めた、肉体労働に就く者が、増えてきているということだ。そうでもしなければ庶民の生活が、成り立たなくなった、ということであろう。