先に、レバノンで行われた国会議員選挙は、9年ぶりだったが、当時とは相当様相を異にしているのが、昨今のレバノン内政であろう。その結果、ハリーリ首相が率いる西側寄りの、与党『将来への運動』は、3分の1の議席を、失うこととなった。
もちろん、その議席数はヘズブラに大幅に、水をあけられる数であった。ヘズブラは公にはしていないが、外国特派員の語るところによれば、128議席のうちの67議席をヘズブラが取ったようだ。
こうなると、ハリーリ首相が首相の座に留まれるのか、連立で何とか乗り切れるのか、ということが問題になってこよう。確か、レバノンの憲法では、大統領はマロニット・クリスチャンから、首相はスンニー派イスラム教徒から・国会議長はシーア派イスラム教徒からという・役職分けがなされていたと思う。
しかし、これだけ負けこんでしまうと、ハリーリ首相は権限を発揮できなくなる、というのが実情ではないか。ちなみに、ハリーリ首相の党が獲得した議席数は、21議席であり、選挙前は33議席を、確保していた。
選挙の有権者は360万人、投票率は49・2パーセントということだ。
この選挙の結果は、今後イランのレバノン及ぼす影響が、拡大するということであり、それはイスラエルとレバノンとの関係が、緊張の度を高めていく、ということであろう。そして、アラブ湾岸諸国などからの援助金が、減るということでもあろう。