6月24日に大統領選挙を控えているトルコでは、トルコ・リラの対ドル・レートが、下げまくっている。そのことはトルコでインフレを、引き起こすことは確実であろう。つまり、トルコ・リラの下落は、トルコの経済を破壊する、危険性があるということだ。
今年トルコ・リラはドルに対して11パーセントも下げているのだ。もっとはっきり言えば、11パーセントの値下がりは、4月だけで起こった現象なのだ。そのことは、トルコ・リラの値下がりが、いかに衝撃的であるか、ということであろう。
こうした状況を見て、S&P社はトルコの状態は、まさにジャンク(くず)だ、と非常に厳しい評価をしているのだ。S&P社によれば、トルコが抱える対外債務は、危険水域にあり、マクロ・エコノミー的には評価を下げなければ、ならないということだ。
トルコの経済悪化は、同国にインフレを引き起こし、通貨価値にも大きな影響を、及ぼそうということだ。その結果、トルコは経済面で、対外的信用を低下していくことになろう。
いまトルコ・リラは対ドル・レートで4・288リラまで下げている。S&P社の専門家はこうした状況では、通貨をめぐる中央銀行主催の会議は、予定通り6月7日に行うのではなく、もっと早めなければ間に合わなくなるだろう、と語っている。
S&P社は中央銀行は金利を上げたが、もっと上げなければ、状況をコントロール出来なくなる、と見ている。トルコの中央銀行はインフレの目標値を、5パーセントとしているが、既に、現在の時点で13・7パーセントに、達しているのだ。中央銀行が金利を上げなかったのは、エルドアン大統領の指示に従ったものであり、エルドアン大統領の判断では、金利を上げれば企業が経営難に、陥るということだった。
また、2年もののボンドは3月の時点で、15パーセントであったものが、いまでは15.28パーセントに上がっている。
経済状況はあるポイントを超えると、コントロール出来なくなる、性格のものであろう。いまトルコはまさに、危険水域に猛スピードで向かっている、ということだ。外部の要因としては、トルコを弱体化させようと考えている、アメリカやヨーロッパが通貨戦争を、トルコに仕掛けている、という見方も出来るかもしれない。
通貨安はいま、イラン、トルコなどで起こっているが、近い将来、トルコやイランなどに続き、韓国や中国も、通貨安に見舞われるのではないか。