『エジプトがエネルギー大国に』

2018年5月 5日

 

 エジプトは広大な国土面積を持つ国だが、以前からこの国の持つ地下資源の、種類や量は膨大なのではないか、と言われてきていた。古代エジプトのファラオ(王)たちの、墓から出てくる遺物には、ツタンカーメンの黄金のマスクを代表する、沢山の黄金や宝石が含まれてる。

 エジプトにはハラーイブという、スーダンとの国境の紅海に近い地域に、莫大な量の金の埋蔵地域があることは、以前から知られていたし、ムバーラク大統領の時代に進めた、ナイル川西部の開発では、アスワン・ハイ・ダムから運河を引いたところ、砂漠の砂が流され、その下にあった金の鉱脈が発見されている。

 そしていま、エジプトはエネルギー開発ブームに、沸いているのだ。地中海東部の海底には、膨大な量のガスが眠っている。このガス資源の開発が、イスラエルその他の国によって進められ、イスラエルはエネルギー輸入国から、輸出国に変貌しているのだ。

 エジプトの海域でもガス資源が発見され、イタリアのENI社によって、ゾホル・ガス田の開発が進んでいるが、ゾホル・ガス田からは現時点で、800MMSCFDのガスが生産されている。それは石油に換算すると、15万バーレル・日相当の産出量だ。しかも、ゾホル・ガス田では日増しに生産量が、増えていると報告されている。

 もうひとつの発見は石油だが、これはリビアに近いエジプト南西部の砂漠のなかであり、良質の石油が産出されているということだ、確かにリビア東部で産出される石油は、低硫黄・低タールの良質な石油といわれているが、鉱脈が近いのでエジプト側からも、似たような良質の石油が、出ているのであろう。

 この油田はA-2X地区と呼ばれ。5090メートルの深度まで掘り下げて、掘り当てたということだ。また、船積みにするにはエルハムラ・ターミナル港が近い、という好条件に恵まれてもいるということだ。

 最近、IMFの代表がエジプトを訪問し、借款供与後のエジプト経済は、健全な方向に向かっている、と賞賛したが、石油やガスの生産が増えることは、ますますエジプトの経済状態を、良くしていくのかもしれない。