トルコでは大統領選挙と地方選挙が、早めて実施される方向に、なってきたようだ。本来、トルコの選挙は、2019年11月3日に予定されていたものだ。しかし、ここに来て、選挙は今年、しかも8月26日に、実施される運びとなった。
選挙を早めろという要求は、野党側からも出ていたが、与党AKPも選挙の早期実施に動いた。その理由は、トルコ経済が悪化したなかでの選挙は、与党に不利になるという判断を、AKPが下したからだと言われている。
確かに、トルコはいま経済的に難しい状況に、陥り始めている。シリアでの戦争はしかるべき戦費を、必要としていよう、ロシアとの貿易もまだ、正常に戻っていない。トルコはトマトの輸出を希望していたのだが、いまになってみれば、手遅れだったということだ。ロシアはビニール栽培などで、トマトを大量に生産できる体制が、整ってしまったのだ。
観光事業もトルコにとっては、ロシアとの大きな取引の一つだが、思うように伸びていないようだ。それはやはり、トルコ国内の治安に、問題があるのであろう。日本からの観光客も大幅に、減っていると聞いている。
さてそれでは、早期選挙がエルドアン大統領の勝利を、約束してくれるのであろうか。与党AKPはエルドアン大統領が、選挙で55パーセントの票を獲得する、と見込んでいるようだ。また他のAKP幹部は、エルドアン大統領の当選は、確実だと語っている。
他方、野党はと言えば、IYIとCHPの連立が組まれそうになり、その場合はIYIのクシュネル女史が、立候補者になるのではないか。彼女のIYI党は20パーセントを超える支持を、集めていると言われ、IYIと連帯するCHPも、28パーセントの支持を集めている、と目されている。
これに他の野党が加われば、エルドアン大統領支持の55パーセントを切り崩せるかもしれない。ただ野党と違い、与党には十分な選挙資金があり、動員力がある。選挙は水物とよく言われるが、まだ勝敗の予測は無理であろう。