『イラク19人のロシア女性を終身刑に』

2018年4月30日

 イラク政府はイラクに在住する、ロシア女性19人に対して、終身刑を下した。彼女たちはロシア人IS(ISIL)のメンバーの妻たちだった。もちろん、彼女たちは夫に付いてイラクに来ただけで、戦闘に参加していた者は、ほとんどいなかったろう。

 赤ん坊を抱いている女性も、その一団には入っていた。当然、子供たちも親たちと同じように、刑務所で暮らすことになるのであろう。そこで教育が行われるとは、あまり信じられないし、成長した段階でその子供たちは、どのような処遇を受けるのかも分からない。

 受刑者の女性たちは20代から、30台の前半であろうと思われるが、彼女たちが残りの人生を、本当に刑務所で過ごすのであれば、これ以上の残酷はあるまい。彼女たちはIS(ISIL)に参加して戦うと言い出した、夫の言うままに、夫につき従って、イラクまで来ただけの話だ。誰もIS(ISIL)を支持し、戦闘に加わろうとは、思っていなかったはずだ。

 同じように、トルコ人のIS(ISIL)のメンバーの妻たちは、確か20人以上が死刑判決を下されている。この場合も、戦闘に参加する気持ちなど、無かったはずであり、ただ従順に夫の言うままに、イラクまで付いて来たのであろう。

 トルコ人女性の場合は死刑判決であり、ロシア人女性よりも重い罪ということになる。それは、イラク政府が大国ロシアを恐れ、やがては釈放を考えての、判決だったのかもしれない。他方、トルコの場合はそこまで配慮する必要が、無かったということであろうか。

 それにしても、イラクでの何十年にも及ぶ、終身刑の刑務所暮らしは、大変な苦痛であろう。刑務所内はエアコンなど効いていないだろうし、付いていたとしても、故障は頻繁に起ころうし、停電も起ころう。

 イラクの夏は炎熱地獄だ、外気は日陰でも5~60度、屋内もそれとほぼ変わるまい。一日中サウナに入っているような、ものすごい暑さに襲われるということだ。この女性たちを救うことこそ、人道活動なのだと思うのだが、誰も動き出してはいない。所詮、国際的な人道団体も、アメリカの意向に従って、活動しているということであろうか。