中東短信

2018年3月19日

:サイフルイスラーム・カダフィ動き出すか

 サイフルイスラーム・カダフィの責任者である、アイマン・ブラースがチュニスで、記者会見を開くことになった。彼は『リビアの将来への立て直し」について語るようだ。 

 つまり、サイフルイスラーム・カダフィを中心とする、リビアの再建策について語るということだ。

 この記者会見で具体的に、何が語られるのかは分からないが、サイフルイスラーム・カダフィが今後、政治部門で動き出すためには、リビア国内での全面的な無罪が必要になろう。

 リビアのトブルクに拠点を置く東リビア政府は、サイフルイスラーム・カダフィに対して恩赦を認め釈放したが、セラジ首相の率いる西のトリポリ政府は、未だに彼を戦争犯罪者としている。

加えて、ICCもサイフルイスラーム・カダフィの逮捕を望んでいるのだ。これではリビア国内でも、安心して動けないことから、とりあえずは、リビアの二つの政府がサイフルイスラーム・カダフィの、無実を認めることから、始めるということであろう。その第一歩が、今回の記者会見であろうと思われる。

 

:シリアはトルコとシリア政府で二分割状態

 シリアのゴウタとアフリンでの戦いは、いずれも一応の決着を見たようだ。ゴウタはシリア軍が解放することに成功し、アフリンはトルコ軍とFSAによって、ほぼ解放されたようだ。

 ゴウタは首都ダマスカスから近いこともあり、ロシア軍兵士も駐屯しており、ロシア軍とシリア軍とが力を合わせて、反体制側を追放したということであろう。他方、アフリンについてはFSAが相当力を入れて、解放に貢献したようだが、FSAはトルコが作り上げた反アサド武力集団だ。

 

:ネタニヤフのイスラエルは強引と不満

 イスラエルのネタニヤフ首相は、西岸のパレスチナ人住宅を破壊している。これはあらゆる法を犯す、行為であろうが、シリアなどの内戦で目立たないことと、トランプ政権のイスラエル支持をいいことに、進めているのであろう。

 しかし、ネタニヤフ首相のイスラエル国民受けを狙った強硬策は、彼の人気を引上げてはいないようだ。なかでもイスラエルの貧困層のネタニヤフ離れは、顕著になってきているとIHトリビューン紙は報じている。