『アメリカがシリア戦でサウジアラビアに軍資金要求』

2018年3月18日

 

 アメリカは余程資金的に、苦しくなっているのであろうか。表面的な株高好景気は、実は実態ではないのであろう。トランプ大統領が次々と打ち出す経済政策、対外政策は、全て『アメリカに金を集める』ことにあるようだ。

 いまトランプ大統領が言い出している、外国製品への増税がその一つであり、これにはヨーロッパも中国も韓国も、日本も頭を痛めている。加えて、トランプ大統領は韓国や日本に対して、国防ただ乗りを非難している。

それはいわれのないことのように、思えるのだが、彼がそう思い込んでいるのだから、何ともならない。この問題については、外務官僚の努力に期待したいが、外交官はアメリカの顔色を見ながらしか動かない。そうなると首相の決断ということであろうが、打つ手は無いのではないのか。国内の問題で手一杯なのだ。

トランプ大統領は日韓を始め、アラブ湾岸諸国にも、巨額の兵器の売込みに、成功している。交渉というよりは、押し売りなのであろうが、いずれの国もアメリカに入りません、とは言え無いのだ。目の前にある恐怖を前に、アメリカの兵器を買わなければ、守ってもらえないという弱みが、アラブ湾岸諸国にも日韓にも、あるのであろう。

アメリカは兵器を売り込む先の国に敵を創り出し、圧力を掛けているのだ。例えばサウジアラビアの場合は、イランがその好都合な敵国になっている。イランの脅威をアラブ湾岸諸国に対して煽り、イランにも核問題で圧力を掛け、激高させているのだ。

それに加え、アメリカはシリアのアサド体制が、危険であるとしてこれも、アラブ湾岸諸国の不安を煽り、『40億ドル出せ』とサウジアラビアに言い出している。説明は明瞭であり、『アサド体制は危険であるので、これを打倒する必要があり、アメリカはそのために軍資金を必要としているので、支援しろ。』というのだ。『地域全体の安定にとって脅威。』、という言葉は全てを、正当化してしまうのだ。

当然、サウジアラビアの経験不足なムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、一も二も無くアメリカの要求を、受け入れることであろう。トランプ大統領はこの一言で、サウジアラビアから40億ドルを、せしめることが出来るのだ。

このようなアメリカの対応は、トランプ大統領体制が続く限り続くだろうが、たとえトランプ大統領が失脚しても、表面的には変わっても、内実は変わらないのではないのか。アメリカの経済状態は、そこまで悪化しているのであろう。

ロシアがシリアでの戦争で、地域諸国の信頼を勝ち取り、ロシア製兵器への評価も高まり、ロシア製兵器は堅牢、正確、安価という評価を、受けることになった。その結果、親米諸国がこぞってロシアの兵器を、買う方向に動き出したのだ。

述べるまでも無く、アメリカの最大の輸出品目は、兵器なのだが、それまでも販売量が激減しそうな、状況にあるということだ。もう一つの金儲けのネタは、金融だろうが、これまやかしだということは、世界が分かっているのだ。『さあどうするトランプ大統領』と問うてみたいものだ。