『中東短信』

2018年3月14日

 

ISがイエメンで戦闘展開

 イラクやシリアから逃れたIS(ISIL)の戦闘員たちは、北アフリカ諸国やイエメン、アフガニスタンに移動している。彼らはその新たな地で戦闘を、展開しているのだ。

イエメンではアデンに近い場所で、車爆弾による特攻攻撃を仕掛け、7人を殺害しているが、犠牲者のなかには、子供も含まれていたようだ。

 

:サウジアラビアのあるワリード・ビン・タラール王子はいまだ国外域禁止

サウジアラビアのワリード・ビン・タラール王子はいまだに・国外に出ることが禁止されている。彼は一連の汚職掃討作戦で、逮捕された王族の一人だ。莫大な罰金を支払うことにより、拘束状態から解放されたが、サウジアラビア国外への移動は、いまだに禁止されているようだ。

 

:PKKオジャランはCIAによってトルコに引き渡された

 トルコのクルド抵抗運動である、クルド労働党の党首アブドッラー・オジャランは、いまだにマルマラ海のイムラル島に幽閉されているが、そもそも彼が逮捕されることになったのは、CIAの判断によるものだったようだ。

アブドッラー・オジャラン議長が1979年にシリアに逃亡し、そこでクルド労働党を結成し、議長に就任し、その後20年ほどシリア政府の庇護の下で、同国で生活していた。

 アブドッラー・オジャラン議長の行動は、クルドのテロ組織を結成すわけだが、アメリカにとってはそのことが、問題だった。彼らはトルコの南東部ハタイで、トルコ軍に攻撃をかけ始めたのだ。

 アメリカが主導し、トルコやイランが加わり、シリアのアサド大統領に圧力をかけ、アブドッラー・オジャラン議長をシリアから追放させた。その後、彼は1999年にケニアのナイロビ空港で逮捕され、トルコへ移送されることになった。

 このことを明かしたのは、前参謀長であったバシュブーグ将軍だ。彼によれば、かつてはシリアのコントロール下にあったPKKは、今ではアメリカのコントロール下にあるということだ。この発言が意味することは、大きいのではないか。

現在、アメリカとトルコとの関係は劣悪だが、そのなかでアメリカのCIAが、いまだにPKKとアブドッラー・オジャラン議長を、コントロールしているということは、極めて意味深重であろう。

 アメリカとトルコとの関係が、悪化していくなかでは、今後も多くの秘密事項が、トルコの高官によって、暴露されるかもしれない。それは国際政治に少なからぬ影響を、与えることになるのではないのか。