トルコの南東部にあるインジルリク空軍基地は、アラブ諸国なかでも湾岸諸国に近いことに加え、イランに隣接していることから、アメリカを始めNATO諸国が、高い評価をしてきていた。
その事はトルコが欧米に対して、高飛車に出られていた要因の一つでもある。しかし、1~2年前からこのインジルリク空軍基地の、使用についてアメリカやドイツは、不安を抱いていた。昨年の段階では、ドイツ軍がインジルリク空軍基地から全て撤収し、ヨルダンに駐留場所を変更している。
アメリカとトルコの間でも意見の相違が見られ、アメリカは何時でも出て行けるという、強気の姿勢をトルコ側に示していた。そして、いまここに来て、アメリカはインジルリク空軍基地からの、完全撤収を始める準備に、動き出しているのではないか。
最近伝わってきた情報によれば、アメリカ軍はインジルリク空軍基地を使った作戦の回数を、減らしているということだ。それだけではなく、アメリカ軍は軍属のインジルリク滞在者数を、削減しているという情報もある。
アメリカの国防省はこのニュースを否定しているが、事実はその逆であろう。アメリカはトルコのエルドアン政権が、信用出来なくなってきているのであろう。その第一は、やはりロシアからの兵器輸入問題ではないか。2021年には念願の、ロシア製S400のトルコへの納入が、確定したようだ。
アメリカはすでにイラクにもシリアにも軍事基地を設立している。シリアには10箇所以上の軍事基地が出来上がっているという情報がある。そうなると、イラクやシリアの基地の方が、湾岸諸国に近いこともあり、トルコのインジルリク空軍基地に、固執する必要はなくなった、ということであろう。
すでに巷では、トルコがNATOから離脱するのではないか、という情報も流れている。それだけトルコはヨーロッパ諸国からも、アメリカからも信用されなくなり、かつ嫌われているということであろう。
実に馬鹿げた話だが、トルコが欧米から嫌悪される要因は、エルドアン大統領の言動が原因しているのだ。彼のマナーを無視した高飛車な態度が、欧米を怒らせているのだ。エルドアン大統領はアメリなの大統領に対しても、ヨーロッパ各国首脳に対しても、高い位置からものを言う癖があるようだ。
トルコからアメリカ軍が撤収することになれば、その後はロシアが好き放題に、トルコに対応することになり、トルコは追い込まれると思われる。ロシアのプーチン大統領は欧米の首脳ほど、軟ではないからだ。
加えて、イランもトルコを追い込む国の、一つになろう。トルコの明日は真っ暗、という予想が出来るのだがどうか。