『アメリカのイラン・北鮮攻撃はないと思うわけ』

2018年3月10日

 

 私が見ているのは中東だが、日本人の友人たちから、アメリカによる北朝鮮に対する攻撃について、何度も質問を受けた、その度に答えた返事は『ありえない』だった。それはどう考えてもありえないからなのだ。

 北朝鮮が核と長距離ミサイルを開発し、それをアメリカに向けて発射するということは、まさに自殺行為だからだ。そんなことをすれば、アメリカはその何倍もの高性能で、大型の核を北朝鮮に打ち込むだろうから、金正恩首領を始め、ほとんどの国民が死亡するということだ。

 しかし、アメリカ政府の高官たちは、大統領を含め北朝鮮が核を開発しているのは、アメリカを攻撃するためだ、と繰り返してきていたし、日本も攻撃対象だと言ってきた。その結果、日本はアメリカの言うままに、高価な兵器を購入させられてきている。

 そのアメリカが日本に売りつけている兵器は、必ずしも完成品とは言え無い、テスト段階というようなもの、があるのではないのか。オスプレイはアメリカで何度も、墜落事故を起こしているが、日本ではそうでもない。

それは日本の技術者たちが調整し、問題点を修繕しているからではないのか。F15戦闘機も然りではないか。そう考えると、イージス・アショも完成品ではないのではないのか、と思えてならない。

 北朝鮮というめちゃくちゃな国がいて、めちゃくちゃは指導者が、世界に喧嘩をしかける危険な国だから、叩こうという考え方は、アメリカの兵器ビジネスを、助けているのではないのか。

 北朝鮮はアメリカにとっては、兵器ビジネスの助けになり、しかも、中国との直接的な軍の接点を無くす、という意味でも重要であろう。北朝鮮がアメリカと中国のクッションになっているのだ。

 アメリカはサウジアラビアなど湾岸諸国に対して、イランの核開発と軍事脅威を煽っているが、その結果、サウジアラビアやアラブ首長国連邦、バハレーンなどは、大量の兵器をアメリカとイギリスから購入している。イランが隣国との間で戦争したのは、イラクがサッダーム・フセインによって戦争を、仕掛けてきた時だけではないのか。

 サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、イギリスを訪問すると、大量の武器の購入が発表された。戦闘機タイフーンを48機買い付けたのだ。その購入価格がどれほどであるのかについては、私は知らない。

同じ頃、サウジアラビアと対立しているカタールも、アメリカから昨年はF15戦闘機120億ドル相当を購入し、今年も250億ドルの兵器を、購入することになっている。それ以外にも1.97億ドルもの兵器を、購入しているそうだ。

 こうしてみると、アメリカが危険な国だ、悪魔の体制だと罵っている国は、皆アメリカの兵器ビジネスの支援国、ということになるのではないのか。イランについてもよく『イランとアメリカは戦争を始めるのか。』と聞かれるが『ありえない』と返答している。アメリカは実質的な兵器ビジネスの支援国を、無くしたくはないからだ。