トルコとアメリカの関係が悪化していることは、アフリン作戦以来、顕著になってきている。トルコ政府はアフリン作戦の後、マンビジュに進攻する予定だ。しかし、そこはアメリカ軍が大挙して、集結している場所であり、トルコ政府が米土の武力衝突を避けるために、アメリカ軍に撤収しろと言っても、アメリカは聞き入れるつもりはない。
こうしたことから、アメリカとトルコの関係は、日に日に悪化している。アメリカの支援を受けるSDFは、アフリン作戦にアメリカが育て上げた、IS(ISIL)の残党を移動し、戦闘に参加させている。
こうしたことからであろうか、アメリカと連帯するサウジアラビアは、ムハンマド・ビン・スルタン皇太子をして、トルコを「悪のトライアングルの一角をなしている。」と語らしめた。
これはもうアサウジアラビアが、トルコを明確な敵国とみなした、ということであり、今後あらゆる面で、トルコを拒否する政策を取って行こう。トルコの企業はサウジアラビアの市場に、頼る部分が多いことから、トルコの経済悪化にも、繋がっていこう。
何故サウジアラビアがトルコを、こうまでも敵視しているのであろうか。それはトルコとカタールとの関係にあろう。トルコはサウジアラビア、アラブ首長国連邦、バハレーン、エジプトがこぞって、カタールに圧力をかけている中で、カタールを支援しているのだ。
トルコはカタールの緊急時には、大量の食糧や消費物資を、航空機を使って送り届けているし、トルコ軍はカタールに駐留してもいる。つまり、トルコはカタールを軍事的に守ってやるということを、明確に意思表示しているのだ。
これではサウジアラビアは不愉快であろう。そうしたことから、ムハンマド・ビン。スルタン皇太子がトルコを名指しで、悪の枢軸と言ったのであろう。これからはサウジアラビアのトルコへの圧力が、増すことになろうが、そうなるとトルコは、苦しい経済状態にあるだけに、相当追い込まれることになろう。
もし、これがサウジアラビアたけではなく、アメリカとの連携した対応だとすれば、トルコは国家破産状態にまで進むかもしれない。一時期はトルコにとってドル箱だった、中央アジアの石油ガス産出国の景気が、価格の低迷で相当悪化し、トルコ企業は大型プロジェクトの受注が、出来ないでいるのだ。
エルドアン大統領はこの国家の苦境から、どうやって脱却するのか見ものだ。