『英のウイリアム王子・夏に中東諸国を訪問』

2018年3月 3日

 

 イギリスのウイリアム王子がこの夏に、イスラエル、ヨルダン、そしてパレスチナのヨルダン川西岸地区を、訪問することが明らかになった。ヨルダン川西岸地区訪問は、マハムード・アッバース議長の招待によるものだということだ。

 ウイリアム王子の今回の中東歴訪は、エリザベス女王の依頼によるものだということであり、特別な意味合いがあるものと思われる。この夏の訪問の前にはアメリカが大使館をテルアビブからエルサレムに、移転することになっている。

 アメリカ大使館のエルサレムへの移転は514日であり、それは大使館とは言っても、仮設であり大使館のようなもので、最終的なものではない。従って、ウイリアム王子の訪問の方が、大きな意味を持つことになるようだ。

そもそも、イスラエル国家の建国は、イギリスがユダヤ人に対して『国を持たせる。=ナショナル・ホームランドを持たせる。』と言い、実際にそれが実現して、イスラエル国家は誕生しているのだ。

 その根源は、イギリスのバルフォア卿が、ユダヤ人の代表に語った、バルフォア宣言だが、このことに対してパレスチナ側は、イギリスに責任があるし、しかるべき賠償もするべきだ、と言い出している。それはイスラエルの入植活動がどんどん進んでおり、パレスチナの土地が奪われ続けているからだ。

 今回のウイリアム王子の訪問が、イスラエルとヨルダン、そしてパレスチナのヨルダン川西岸地区ということは、今後、イギリスがパレスチナ問題の、解決に乗り出すことの、前兆ではないのか。

 イギリスはEUから離脱し、孤立の道を歩んでいるが、イギリスがここで、中東問題解決への、何らかのカードを切ることができれば、イギリスに対する世界の評価が回復する、ということではないか。