『アフリン作戦でトルコ軍を窮地に追い込むアメリカ』

2018年3月 2日

 アメリカはシリアのアフリンで展開している、トルコ軍の作戦を苦境に追い込む、計画のようだ。アメリカはトルコに敵対する、クルドのYPGに対して、大量の最新兵器を提供している、とロシアのアレクサンダー・ベネヂクトフ氏が発表した。その通りであろう。

 ロシアのアレクサンダー・ベネヂクトフ氏の語るところによれば、それ以外の注目する点は、アメリカ軍がシリア国内に多数の軍事基地、を建設していることだ。既に20か所の軍事基地が、完成している模様だ。

もちろん、このアメリカ軍によるシリア領土内での基地建設は、シリア政府との間に何の合意も、交わしているわけではない、いわば、横暴強引な行動なのだ。

しかし、それを非難する声も阻止する行動も、世界は国連からも何処からも出していない。独裁的なアメリカの横暴を、放置するということであろうか。それはイラクでもしかりであり、イラクの議会は『アメリカ軍に出て行け。』という決議を出している。

 トルコ軍はシリア北部のアフリンと周辺で、軍事作戦を展開しているが、このトルコの戦闘を、YPGが邪魔し、アメリカがそれを背後から支える、という構図が出来上がっている、ということだ。

 アメリカ軍はいまのところ、アフリン界隈には進出してはいないが、YPGが窮地に追い込まれるようになれば、アメリカ軍がYPGの支援に駆けつけることは、ありうるだろう。その場合、アメリカ政府はトルコ政府に、どう説明するのか興味深い。

 つい最近、アメリカ政府報道官は「トルコは最も大事な同盟国であり、YPGではない。」と語っているが、それは大局に立った見方であり、細部では対立する、ということではないのか。

 どうもアメリカの中東戦略は、トルコとの関係でもイスラエルとの関係でも、サウジアラビアとの関係でも、問題が生じてきているように思えるのだが。