『アメリカ友好国が露中の兵器輸入希望』

2018年3月 1日

 

 アメリカは友好国に対し兵器を輸出し、軍事訓練を施し、修理保全サービスも行ってきていた。しかし、ロシアはシリアでの戦闘で大きく自国兵器の、宣伝を行うことが出来た。ロシア製兵器は使える、という評判が高くなったのだ。

 なかでも、ロシアが生産しているS400については、多くの国が関心を高め、輸入を希望している。その筆頭はトルコであり、トルコは既に契約を完了しているが、サウジアラビアなども輸入を希望している。

 こうなると、アメリカ製兵器の人気が下がり、輸出量が減ることになるのだから、生産量が減り、単価が高くなる、ということであろう。そうなれば、アメリカ軍の予算が厳しいものとなり、装備することが難しくなる、という展開もあろう。

 NATO加盟国のトルコが、このロシア製兵器S400の購入に動き、25億ドルを支払ったようだが、これはアメリカにとっては痛い事であろう。NATOの加盟国が、いわば仮想敵国である、ロシアの兵器を装備すれば、全体のバランスが崩れてしまおう。

 アメリカは何とかこれを阻止しようとしているが、なかなかうまく行かないのではないか。ミサイルは単体であり、兵器全体と組み合わされている、とは限らないからだ。アメリカはその事をトルコに強く訴えたが、効果は無かったようだ。

 こうなると他のアメリカの友好国も、トルコの例を見て、ロシア製兵器の輸入は可能だ、という判断を下そう。確かにロシア製兵器はシリア内戦で、大きな効果を挙げることに、成功している。

 その事に加え、ロシア軍の誠意のある行動が、各国の信頼をあつくしたのであろう。ロシアと組めば自国を守ってくれる、という認識が高まったということだ。アメリカがどう言い訳をしようとも、IS(ISIL)の掃討作戦でロシアが果たした役割は、大きいものであった。

 さて、こうした新しい状況の下で、アメリカはこれから何を、輸出の主要品目にするのであろうか。自動車が駄目になり、最近では兵器と農産物、そして金融が売り物だったのだが、そのいずれも問題を抱えている。

 兵器は述べた通りであり、農産物は分子組み換えで、危険だと言われている、そして、金融は『明日はアメリカ経済が崩壊するのではないか。』といわれているのだ。その後にアメリカは、どうする気なのであろうか。