『ISがシリアで基地の再構築に動く』

2018年3月21日

 

 最近になって、ISのシリアでの活動が目立つように、なってきているようだ。ひとつは、ダマスカスの郊外にある、パレスチナ・ヤルムーク難民キャンプのそばのカダムで、ISがシリア軍を攻撃し、36人のシリアの兵士を殺害している。

 加えて、シリア全体ではISが基地の構築に、動き出しているのだ。それはトルコ軍がシリア北部の、アフリンに進攻したことにより、相当数のクルド民兵SDFが、アフリンの戦闘に投入されて、手薄になったからだ。その結果、ISは新たな基地の構築が、容易になったということのようだ。

 このアメリカの分析にトルコは真っ向から反対し、アフリン攻撃がISの再活性化を生んだというのは、嘘だと主張している。シリアでの戦闘ではトルコもアメリカも、テロリストを味方につけて、他のテロリストを掃討する形になっているが、そのことが問題を複雑に、しているのであろう。

 アメリカはISに再構築の機会を与えない、と言っているが本音は、どうなのであろうか。ISがシリアで活動する限り、アメリカの言うテロ掃討作戦を口実に、アメリカ軍はシリアに留まれるし、大方の国々はそれを、認める形になっている。

 トルコのアフリン作戦のさなか、トルコと共闘するSDFは、盗みを働いているし、多くの住民が逃げ出してもいる。アフリンではいま、病院も食料も不足する状態が、生まれている。トルコ政府はアフリンへの、食糧援助を始めたが、問題の解決には至っていまい。

 トルコは今回のアフリンへの作戦を、『オリーブの枝』作戦と命名し、将来のシリア国内でのクルド独立を、支援すると言っている。その事により、マンビジュなどに集まる、クルド・ミリシアをアフリンに引き付け、トルコ側に抱き込もう、と考えているようだ。

 アメリカもマンビジュへの、クルド・ミリシアの抱きこみを、計っていることは、言うまでも無い。クルド・ミリシアの戦闘能力が高いことが、トルコとアメリカをクルド・ミリシアの、抱き込みに走らせているのであろう。

 アメリカ軍はマンビジュで、クルド・ミリシアを使い、アメリカ兵の安全を確保するつもりのようだが、トルコ側はマンビジュからクルド・ミリシアを追い出せ、とアメリカに要求しており、その事が原因で、アメリカとトルコの軍が、武力衝突に至る危険性もある。

 トルコの大統領主席報道官イブラヒム・カルン氏は、トルコとアメリカとの間では、マンビジュからクルド・ミリシアを、追放する合意が出来ていると語っているが、事実はどうなのであろうか。その合意を交わしたと言われているのは、辞任したテラーソンなのだから。

 トルコとアメリカがもめ続ければ、ISがシリア国内で基地の、再構築を進めることは、容易になろう。シリア軍だけでは充分な対応が、出来ないのではないのか、と不安が沸く。