アラブ首長国連邦(UAE)はサウジアラビアと、一衣帯水の関係があることで、知られている。最近ではサウジアラビアとカタールとの対立で、UAEはサウジアラビアを全面的に、支援している。
そのUAEはこのところ、サウジアラビアがイエメンを攻撃しているなかで、サウジアラビアの軍に支援を送っており、イエメンで空爆を繰り返している。その被害は相当なものであろう。
UAEがなぜそこまで、サウジアラビアを支援するか、ということが疑問だったが、よく考えてみると、それはUAEの国益とも、直結していることが分かり、UAEのイエメン攻撃は、サウジアラビア支援の名を借りた、UAEの国益追及の戦いだ、ということが分かる。
イエメンは紅海の入り口にあたる、バーブ・ル・マンデブ海峡を支配している国だ。イエメン軍によってこの海峡が、コントロールされるようになれば、UAEの石油は欧米市場に向かえなくなるのだ。
加えて、現在イエメンで勢力を増している、ホウシ・グループはイランの支援を受けた、シーア派戦闘集団であり、このグループがイエメンを支配してしまえば、UAEは自国の南部に強力な敵を、置くことになるのだ。
そして、もう一つの問題はイエメンと、サウジアラビアとUAEの国境に近いイエメンン領には、レアメタルが眠っており、石油やガスもあるといわれている。こためUAEはイエメンの領土の一部を、UAEは奪取したいと考えている。
そもそも、UAEの構成国であるアブダビとイエメンとは、1960年代から1970年代の初めにかけて、ゾハール戦争を展開していた経緯がある。その折にアブダビを支援したのはイラン軍だったと記憶する。
また、UAEにとってはイエメンの各港も、奪いたいようだ。イエメンの港はアデンを始めホデイダなど幾つもあり、紅海、アラビア海、そして東アフリカにつながっているのだ。つまり、UAEは善意だけでサウジアラビアの、味方をしているのではない、ということだ。