『中東短信』

2018年2月26日

 

 

:イラクがトルコ女性処刑多数

 イラクではIS(ISIL)の戦闘員の未亡人たち多数が、死刑判決を受けている。彼女たちのほとんどは、夫に従っただけであり、戦闘に参加していたとも思えない。実に不幸な結末ではないか。

 こうしたことはイラクに限らず、今まで世界中で起こってきていることであろう。そもそも、トルコではギュレン・グループに関与ということで、罪のない女性たちが多数投獄されているし、子供たちもやはり数百人が、刑務所に収監されている。

 弱者救済の方法を考えなければならないのだが、利益が優先する世の中なのであろうか。誰も具体的な行動に出ようと考えていない。国連がシリアのゴウタ停戦を決議するのだが、紙に描いた餅のように、全く効果が出ていない。

 

:ロシアがイスラエルをシリアから守ってやるが

 ロシア政府はイスラエルに対して、シリアのイラン軍による攻撃から、イスラエルを守ってやる、と言い出している。シリアとイスラエルの国境にイラン軍が陣取り、明日にでもイスラエルを攻撃する雰囲気に、なっているからであろう。

 ただし、ロシアはそれだけではなくイスラエルを、イランの攻撃から守ることに条件を付けている。その条件とは、シリアに駐留するイラン軍に対して、イスラエル軍が攻撃をするようになれば、イラン軍を守るとも言っているのだ。

 ロシアが言っているのは、イスラエルもイランも攻撃するな、ということであり、ロシアの考えに賛成すれば守ってやり、そうでなければ攻撃する、ということだ。納得のいく考えではあるが、イスラエルにしろイランにしろ、あまり愉快な提案ではなかろう。

 それにしても、最近では中東におけるアメリカの影が薄くなり、ロシアの存在がすこぶる大きなものに、なってきている。ロシアが中東問題解決のキー・プレイヤー、という感じが色濃くなってきている。

 

:サウジアラビアがカタールにワールド・サッカー主催の資格無い

 サウジアラビアがカタールと関係が悪いことは、既に誰もが知っていることであろう。その関係の悪いカタールがワールド・カップを主宰する予定になっているが、サウジアラビアはカタールに対して、同国にはワールド・カップを開催する資格は無い、と言い出している。

 れはサウジアラビアのトルキー・アルシェイク・スポーツ大臣が語ったものだが、開催を阻止するために、サウジアラビアはカタールとの間で軍事緊張を高めるかもしれない。