『トルコがアフリンで化学兵器使用?』

2018年2月19日

 

 シリアのYPGがトルコのアフリンでの、化学兵器使用を非難している。使用された場所は、シリアのアフリンであり、激戦が報告されている場所だ。この場合問題なのは、YPGは間接的にアメリカの支援を受ける、戦闘集団だということだ。

 アメリカはシリア問題の解決のために『アメリカはIS(ISIL)掃討にSDFと協力している。』と公言している。アメリカSDFを支援しているが、SDFYPGPYDPKKといったクルドが中心の戦闘集団を、主体とする組織なのだ。つまり、今回トルコ軍が化学兵器を使用し、アフリンの住民を危険にしているというYPGのトルコに対する非難は、アメリカの黙認のもとに、YPGが行った非難だ、ということではないのか。

 いずれにせよ、今回の化学兵器使用により、アフリンの6人の民間人が、犠牲になった、とYPGは報告している。もちろん、トルコ側はこれを、単なるブラック・プロパガンダだ、と否定している。

 このYPGによるトルコに対する、化学兵器使用に関する非難について、アメリカは確認していないが、あり得ないことだ、と否定的な立場を、表明している。アメリカは今回のクレームについて、化学兵器は使用しないよう、各方面に呼びかけていると同時に、民間人の安全を守ろうとしている、という立場を明らかにした。

 ただ、今回のトルコ軍による、化学兵器使用への疑惑は、YPGだけではなく、国際的な監視団体も、語っている点が問題だ。もし、トルコが化学兵器を使用したことが明らかになれば、アメリカはしかるべき措置を、トルコに対して取らざるを得まい。

 そのことは、そうでなくとも複雑な状況にある、トルコとアメリカとの関係を、より一層複雑にさせることになろうし、NATOの一員としての、トルコの立場にも影響を、及ぼそう。

一説によれば、トルコはNATOから脱退することを望んでいる、という話がある。トルコはNATOの一員であることが、トルコにとって足かせになっていることに、嫌気がさしてきている、ということなのだが。

これは、トルコがアメリカと距離を置き、ロシアに接近しようとしていることから、来ているのかもしれない。