*イスラエルにハイム・ゴウリという、作家兼ジャーナリストがいたということが、ネットに掲載されていた。彼はイスラエルの独立時に戦った、勇敢な戦闘員であったようだ。*
*彼はまさにイスラエルの建国から、その後の時代を生き抜いてきた、人だったようだ。その彼は晩年になって、左派系のマスコミで執筆していたようだ。独立を勝ち得ることとは異なり、1967年戦争の勝利後、ユダヤ人は横暴になってきていることに、懸念を抱いていたのであろう。*
*彼は1920年代に生まれた人のようだが、その頃のイスラエルには、あまり多くないユダヤ人が、ある意味でパレスチナ人と隣人同士で、生活していたのだ。ユダヤ人とパレスチナ人の関係が、穏やかだった頃であり、子供たちが一緒に遊んでいたという話を、1970年代の終わり頃に日本に駐在した、PLOの代表が懐かしそうに、穏やかな関係だった時期について語るのを、聞いたことがある。*
*私にはその話が奇異なものとして、聞こえたのだが、既に当時のユダヤ人とパレスチナ人との関係は、劣悪になっていたからであろう。1970年代といえば、PFLPによるハイジャック・テロが頻発しており、ライラ・ハーリドという名の女性闘士が、世界的に知られていた頃だ。*
ハイム・ゴウリ氏はすっかり変わってしまった、イスラエルやユダヤ人について、将来のイスラエルそしてユダヤ人について、不安を抱きながら死んでいったものと思われる。彼の娘は『父はまさに全てのエネルギーを出し切って死んで言った。』というようなことを語ったらしい。
実はイスラエルやユダヤ人の、将来に対する不安が、少しずつ芽生え始めている。一般的には巨像アメリカを利用して、ユダヤ人は世界を牛耳っている、といったことがマスコミを通じて伝えられ、ユダヤ人に勝つ術は無くなった、というイメージなのだが、実態はそうでは無さそうだ。
ドイツの外相がイスラエルのネタニヤフフ首相に対して『ヨーロッパではイスラエルに対する不満が拡大している。』と警告したようだ。それは実はアフリカからの、不法な難民のヨーロッパへの大量流入に、起因しているのかもしれないし、トランプ大統領による『エルサレムはイスラエルの首都』という発言に、起因しているのかもしれない。
ポーランドではドマ大統領に対して、彼の支持者からホロコーストを再考しろ、という要求が出た結果、彼はホロコーストについて再調査することを、約束したようだ。ポーランド人の間ではナチによる、ホロコーストの犠牲者には、多くのポーランド人が含まれていた、という認識なのだ。
そのポーランド人の犠牲を無視し、あたかもホロコーストの犠牲者は、ユダヤ人だけだという、ユダヤ人の主張は許せない、ということであろう。彼らはポーランドの歴史認識を間違えさせる、大問題だとみなしているのだ。
ヨーロッパ、なかでもナチの発祥の地であるドイツでは、最近、ナチ支持、ヒトラー賞賛の若者が、増えているといわれている。こうした社会的傾向は一定の時間の経過のなかで、サイクルのように甦って、来るものなのかもしれない。
アメリカでも同様に、反ユダヤが、拡大しているようだ。1パーセントの富裕層が、99パーセントの貧困層を創っている、という非難は述べるまでも無く、ユダヤ人に対する敵意の発言なのだ。いままさにユダヤ人に対する、ネオ・ポグロム、ネオ・ホロコーストが、始まっているのかもしれない。