NO:5018 2月17日 『イスラエルが最大の危機に直面』

2018年2月16日

 

 イスラエルは建国以来、最大の危機に直面しているのでは、ないだろうか。これまで、イスラエルが直面してきた危機は、アラブとの戦い(中東戦争)であり、パレスチナ・ゲリラとの戦いだった。

 しかし、いまの状況はそんな生易しいものではない。敵はアラブやパレスチナばかりではなく、イランであり、シリアであり、ヘズブラであり、そしてロシアなのだ。これらの国々が敵に回り、しかも、イスラエルとの国境近くに、軍事基地を持ち始めているのだ。

 イランはシリア・イスラエル国境に軍事基地を持ち、武器工場まで持ち始めている。そして、イラン軍はシリアとばかりではなく、レバノンのヘズブラとも共闘関係を組んでいるのだ。

 加えて、ロシアはタルトースやラタキアといった、シリア北部の軍事基地を拡充しているのだ。また、ロシアがシリアに与えた武器も、S400ミサイルなど先進の武器のようだ。

 他方、イスラエルはというと、国が豊かになったために、イスラエル国民は他の先進国の国民と同じように、戦争をしたく無くなっている。中東戦争が第一次から第三次の段階では、イスラエル国民は必死で、自国を守るために戦ったのだが、第四次以降はこれといった勝利を、収めていない。

 そして、1982年以降に起こったレバノンの、ヘズブラとの戦争では、明らかに負けていた。その戦争の後で、イスラエル国内では軍や政府高官が、責任逃れに必死になり、ヘズブラとの戦争の敗因を、究明しようとはしなかった。

 こうした状況に加え、最近私が懸念しているのは、アメリカの経済状態だ。世界中で問題が起こり、それぞれに、アメリカが関与しているのは明らかだが、アメリカは問題の解決をしているのではなく、問題の当事国に対して、いかに武器を売り付けるかに、汲々としているのではないか。

 日本と朝鮮半島、南北朝鮮、中国と日本など、いずれも高額兵器を売ることが第一であり、問題の解決をしようとはしていない。逆に、アメリカは火に油を注ぐような行動を、しているのではないのか。

 そして、中東問題もこれまで、アメリカにとって大きな経済的負担、となってきていた。イスラエルへの援助、パレスチナへの援助、周辺諸国への援助と、援助件数が多過ぎたのだ。

 もし、私がトランプ大統領であったら、中東問題は放り出したい、ということになるのではないのか。そして、それは『自分たちの問題は自分たちで解決しろ。』ということであろう。

 トランプ大統領が言った『エルサレムはイスラエルの首都だ。』という発言は、その事であろう。イスラエルはいま自分の努力で、パレスチ問題を解決しなければならなくなっている、ということだ。イスラエルがその努力をしなければ、アメリカでホロコーストが、起こるかもしれない。