『ISは歴史的金満テログループ』

2018年2月24日

 

 IS(ISIL)の凋落が語られているが、実態はそうでもないようだ。最近報道されたものを見ていると、イラクやシリアでは確かに、IS(ISIL)はほぼ姿を消したが、彼らは相当の資金を、溜め込んでいるようだ。

 その報道によれば、IS((ISIL)は世界で歴史的に、最も資金力のある、テロ組織だとう事のようだ。ニュースはエコノミストから、伝えられたもののようだ。

 その裏付けとなっているものの一つには、武器密輸業者の証言がある。その内容によれば、IS(ISIL)は武器をキャッシュで、買っていたということだ。そうして購入した武器で、彼らは3年間でイラク・シリアの相当部分を、支配するに至ったということだ。

 IS(ISIL)は4億ドルをイラクとシリアから、持ち出しているということだ。そうした金は石油の密輸と、イラクの銀行から盗んだものが、5億ドルにも達していた、ということだ。

 また外国から寄せられた寄付金は、ほとんどが溜め込まれていたようだ。つまり、IS(ISIL)は活動する地域で使う金は、そこで調達する方式だったようだ。また、両替商や、資金の送金屋も行っていたようだ。

 IS(ISIL)が運営する両替所は、イラクだけで数百箇所有った、という話しで、彼らはイラク中央銀行にも、入り込んでいた(関係していた)、ということのようだ。そこでIS(ISIL)は通貨の売買に、関与していたというのだ。

 IS(ISIL)は主に、イラク・デナールからドルに、換金していたらしい。昨年始めの頃からは、イラクやシリアにある金を、トルコに持ち込んでおり、国境の両替商たちが、その事実を伝えている。

 そうしてトルコに持ち込まれた資金は、個人などの名義で隠匿されており、その資金の多くは金(ゴールド)に替えられ、近い将来、スリーパーたちが行う、新たな作戦に使われるのであろう、とトルコの情報部は推測している。

 なおIS(ISIL)の資金は、石油の密輸だけではなく、ゆすり、密輸、そして誘拐によっても、得られていたということだ。

 問題はIS(ISIL)に資金が充分にある、という情報が流れると、新たなIS(ISIL)参加希望者が、現れるということであり、彼らは欧米でも動き出す、可能性がある。事実の報道は価値があろうが。そうしたことを考えると、今回の『IS(ISIL)は金持ち』報道は、危険がいっぱいな気がするのだが。