『トルコのリビア内戦への関与武器密輸』

2018年1月30日

 

 トルコがシリアに軍事侵攻したことは、誰もが知っていよう。またトルコがイラクについても、軍事的に関与していることを、知っていよう。そしてトルコがカタールに軍を派兵していることも、公になっており多くの人が、知っていよう。

 しかし、トルコがリビアの内戦に関与していることは、あまり知られていまい。実はトルコはリビア内戦にも深く関与しているのだ。その状況に関するニュースが漏れ始めている。トルコはギリシャ、オマーン、ジブチなどの港を経由して、リビアに武器弾薬爆発物を届けているのだ。そして、その荷物の行き先はリビアのミスラタだ。

 これらの武器弾薬をリビアに輸出しているのは、トルコの武器メーカーであるトルン社と、ヤウシュチャラル社であり、トルン社はコンテナ二箱に詰めた5000丁の武器を送り、ヤウシュチャラル社は50万発の爆発物を送ったようだ。

 ヤウシュチャラル社はラテフ・アラル・アリシュなる人物が介在して、このビジネスを進めたようだが、この人物はエルドアン大統領と、極めて近い関係にあるようだ。

また、エルドアンの義理の子息であるベラト(エネルギー大臣)も、このビジネスに関与しており、彼は倒産の瀬戸際にあった、貨物船会社に働きかけ、負債を帳げしにすることを条件に、武器の輸送を依頼したようだ。

 このビジネスには在ベンガジ・トルコ領事館のアリー・ダウトール領事も関係しており、彼は船会社に圧力をかける役割を、担っていたということだ。従ってこの武器密輸取引は、トルコのトップ・シークレット事項であった、ということだ。

 トルコがリビアとの関係の中で行ったことは、これだけではない。リビア人の戦闘員にトルコ・パスポートを、偽造して与えていたし、トルコ経由でシリアやイラクに入ることも、黙認するどころか支援していたのだ。

 情報によれば、アルカーイダもIS(ISIL)の戦闘員も、トルコ・パスポートを使ってリビアから欧州に入り、その後トルコを経由して戦闘地域である、シリアやイラクに入っていた、ということだ。これにはリビアのミリタント組織も、関与していたのだ。

 トルコのエルドアン大統領が、ここまでリビアに関与しているということは、それが金儲けにつながるからに他ならない。金儲けはある種の麻薬のように、人の感覚を狂わせるのかもしれない。