『中東の麻薬問題』

2018年1月19日

 

 イスラエルではいま、大量のマリファナの生産が、行われているのだが、市場は全くない状態だ。これを外国に輸出しなければ、生産者は倒産に追い込まれる。もし売れれば、何十億シェケル(イスラエル通貨)にもなるのだ。それだけ生産量が多い、ということなのだ。

 そこでイスラエル政府は、薬用マリファナということで、外国に輸出しようと考え始めている。それが進まなければ、マリファナは闇市場に流れ、多くの麻薬密売者が、登場することになるのだ。

 このニュースを読んだ時に考えたのは、イギリスがアヘンを中国に売るために始めた、アヘン戦争のことだ。結果的にイギリスは、中国の領土の一部を抑え(香港)、つい最近まで占領下に置いていた。

 イスラエルはそこまで、武力に訴えることは無いと思うが、彼らは国際合意を生み出して、合法的に輸出(買わせる)することを画策しよう。例えば癌の末期患者に、それを投与することにより、痛みを抑えるといった方法だ。

 日本にそれが入ってくれば、医療用だけではなく、本来の麻薬として多用される、危険性があろう。いまの日本人には、麻薬に対する免疫性がないから、簡単に手にするようになろう。特に若者の間では、合法麻薬ということで、広まる危険性が、高いのではないか。

 アルジェリアでも同じような。麻薬問題が持ち上がってきている。オエイヒ首相は麻薬対策を、進めているのだが、どうもスムーズにはいっていないようだ。地域の首長を集めて、会議を開いても効果はない。

 いまアルジェリアで広がっているのは、マリファナとコカインのようだ。それを阻止するには、隣国モロッコとの協力が、必要だということであり、オエイヒ首相はモロッコ政府と、話し合いを始めている。

 このことはヨーロッパにとっても大問題であろう。モロッコやアルジェリアからは、旧植民地ということもあり、多くの国民がフランスに、流れ込んでいるからだ。彼らが麻薬をフランスに持ち込めば、阻止することは大変であろう。

 麻薬が取り持つ縁ということであろうか。これでアルジェリアとモロッコには、協力関係が生まれたということだ。アルジェリアもモロッコも、マリファナを栽培しようとすれば、その栽培地に事欠くまい。いまだに、政府の力の及んでいない地域は、沢山あるし、アルジェリアもモロッコも、多民族国家なのだ。

 心配なのはこの麻薬密売に、IS(ISIL)が関与していないか、ということだ。IS(ISIL)はリビアやアルジェリアの、南部に潜入しており、十分に考えられる状況にあるのだ。