『ヨルダンで運輸相が突然首』

2018年1月18日

 

 ヨルダンで117日、突然運輸相が首になった。首になった理由は何も説明されていない。これでヨルダンでは閣僚の辞任が、5人続いたということようだ。もともと、ヨルダンでは国内に問題が発生すれば、首相を更迭して新しい首相が、たてられることは珍しくない。

 首相や閣僚の首を切るということは、国内政治上問題が、発生しているからであろう。ヨルダンの国王はそうすることで、国民の不満が自分に向かってくることを、抑えてきていたのだ。

 今回の場合もどうやら同じ理由が、運輸相の首を切らせたようだ。ヨルダン政府がパンを始めとする消費物資の、値上げを計画しており、それが実施されれば、国民の政府に対する反発は、大きくなろう。

 今回ヨルダン政府が消費物資の、値上げに踏み切るのは、アラブ湾岸諸国なかでもサウジアラビアからの、援助が削減されている、結果であろう。サウジアラビア政府はつい最近、大問題になったエルサレムについて、ヨルダン政府がエルサレムの管理をすることに、反対していたのだ。

 サウジアラビア政府としてはメッカ、メジナという2大聖地の管理者に加え、三つ目の聖地エルサレムも自国の管理下に置きたい、ということであったろう。しかし、それは常識的には許されまい。なぜならばヨルダンは長きに渡って、エルサレムを管理してきているからだ。

 サウジアラビアがエルサレムの管理権を、ヨルダンから奪おうとしているのは、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子がアメリカとの・関係が強いことをいいことに・勝手な振る舞いに出ているためであろう。

 今回のヨルダンの運輸相更迭は、そのとばっちりを受けたものであろうが、近い将来、政府そのものが組み換え命令を、受ける可能性があろう。それだけヨルダンの国内政治は、複雑になってきているということだ。