『トルコ窮地・アメリカはシリア国境に特別部隊』

2018年1月15日

 

 アメリカ)がSDF(シリア防衛軍=アメリカの参加でありYPGの関係組織)の戦闘員を訓練して、シリアとトルコの国境に、配備する計画を立て、既にSDF戦闘員の訓練に入っている。

 このことは、当然トルコ政府を激怒させている。大統領のスポークスマンであるイブラヒム・カルンは『このことは地域の位置付けを変えてしまう。』とクレームをつけている。実はこの前の段階では、トルコ政府がアメリカ領事を呼び出し、事実説明を求めている。

現在SDF230人の戦闘員が、アメリカ軍の訓練を受けている。アメリカに言わせれば、彼らは自宅のそばの安全を、確保するために徴用される、ということだ。アメリカ軍はこのことについて『もっと多くのクルド人やアラブ人が、シリア・トルコ国境とユーフラテス川東岸の警備に、あたるということだ。』と説明している。

 アメリカ軍の計画によれば、SDF15000人の戦闘員が、この任務につく予定だ。彼らはIS(ISIL)に対抗することが、目的だとされている。なおこのシリア北部には、2000人のアメリカ兵が、駐屯している。加えて、外交官も200人ほどが、駐在しているということだ。

 トルコ政府にしてみれば、このSDFの新組織部隊が、ISISIL)対応の目的ではなく、シリア北部のクルド自治区固定(将来的にはクルドの独立)のための、部隊だと考えている。それは同時に、トルコとの間で戦闘を展開する、可能性が高いということだ。

 SDFYPG(クルドの戦闘部隊)と、特別な関係にある。SDFの実質は、クルドのYPGなのだ。アメリカはYPGではトルコ側に対しての、説明がし難いために、クルドやアラブ・トルコマンなどの混成部隊が、SDFだと説明しているのだ。

 このSDFからの選り抜きの、戦闘員によって構成される、特別部隊の結成は、アメリカのトルコに対する、明らかな敵意の表れであろう。このことは今後、アメリカとトルコが明らかな、敵対関係になっていくことを、意味しているものだと思われる。

 アメリカは既に、シリア北部の10か所以上に、軍事基地を建設しており、長期に駐留する方針であり、その傭兵としてSDFを訓練し、クルド人にこの地域を治めさせることによる、間接統治を考えているのであろう。