『エジプト・スーダン緊張の真相は金鉱脈の支配』

2018年1月10日

 

 18日だったと思うが、エジプトとスーダンとの間にいま、エリトリアをめぐって、問題が起こってきていると報告した。この時は、エジプトとスーダンの対立の原因は、ナイルの水資源にあると書いている。エチオピアが進めるダムが完成すると、エジプトのナイル川に流れ込む水量は激減し、大きな問題となるのだ。

 しかし、もう一つエジプトとスーダンの間には、国境地帯の領有をめぐる、問題があるのだ。それは紅海に接する、ハラーイブという地域だ。現在はエジプトが領有しているが、スーダンは1958年の段階から、自国領土だと主張し、エジプトとの間で揉め続けて、きていたということだ。

 何故、このハラーイブという熱砂の地域が、両国にとって重要なのかというと、そこには膨大な量の金が、地下に眠っているからだ。あるいは、ここで採れる金が古代エジプトの、ファラオの時代にまで遡るのかもしれない。

 エジプトはハラーイブでの金発掘を始めており、それが市場に流れている。将来的には 同国の外貨収入の、主要産品の一つになることは、間違いあるまい。エジプト人の友人は何度も、ハラーイブの重要性を、語ってくれていた。

 この金鉱脈をスーダンが支配するのか、このままエジプトが支配し続けるのかで、当分もめそうだが、そこにはトルコが介入して来よう。トルコもこの金鉱脈について、十分な知識があろう。何と言っても、トルコはかつてオスマン帝国の版図として、スーダンやエジプトを、支配していたのだから。

 スーダンとエジプトとの争いは、今後国連の場にも、スーダンによって提訴されようし、トルコも介入してくることになれば、一躍国際問題化するという、可能性を秘めている、ということだ。

 金に対する執着はどこの国の人間も、同じなのであろうか。その勝利の代償は、国民の流す多くの血によって、あがなわれることは必定なのだが。