『米イラン目くそ鼻くそ』

2018年1月 6日

 

 昨年末から始まったイラン国内の、反体制デモに関して、ある種の進展が見えている。それはアメリカがこのデモを支持し、成功させようとしていることだ。これに対して、イラン側もデモに対抗する動きをとった。

 イランは官製デモを繰り出すことによって、大衆のデモを潰そうとし、『アメリカやイスラエルがデモの背後にいる』と主張し始めた。このアメリカやイスラエルが背後にいるという主張は効果がある。イランでは過去の経験から、外国の陰謀を嫌う感情が、国民の間には強くあるからだ。

 デモはいまのところ大分沈静化してきている、といわれているが、そうかもしれない。反体制のしっかりした組織が、デモに関与していなかったことや、宗教界の大物が支持していないこと、バザール商人の支持を得ていないことに、その原因があると分析する人達がいる。

 アメリカがデモに関与している可能性は、否定出来まい。アメリカは出来れば、イランに軍事攻撃をかけたいのだが、それはリスクが大きすぎるからだ。従って、今回のデモなどで背後から支援することにより、イラン体制を弱体化することを、考えるのは当然であろう。

 同じようなことはヨーロッパもイランも、やっているのではないのか。しかし、アメリカはそう甘くはないようで、今度は国連の場でイラン非難を、始めようとしている。勿論これにはイランが反発しているし、トルコやロシアなどは、イランの国内問題に、手を出すべきではない、とアメリカの動きを非難している。

 国連の場では、アメリカとイランに各国の対応が、鮮明に分かれるだろう。アメリカを支持する国は、アメリカから援助を受ける国々が主であろう。イランを支持する国には、ロシア中国、フランスを始め、トルコとEUメンバー国の幾つかが、加わるのではないか。

 結局こうなると、アメリカが得意とする拒否権を、ロシアや中国が使うことになり、イラン問題の国連での非難討議は、駄目になってしまい、アメリカは外交的に敗北することになろう。この場合も、アメリカは反アメリカの国々のリストを作り、『援助カット』で脅すのであろうか。それはあまりにも品のない行動であろう。

 他方、何事に付けアメリカの陰謀、CIAによる工作、と非難するイランの行動も、品性に欠けると言わざるを得まい。そもそも、今回のデモはイラン国内の、貧困や、失業、物価高といった、経済問題を理由に始められたものであり、イラン政府の失策が原因であり、CIAやアメリカの陰謀によって、始まったわけではあるまい。

CIAが関与しているとしても、それはデモに後から乗って来た、だけのことであろう。こういうのを『目くそ鼻くそ』と日本では言うのだが。アメリカやイランではどう表現するのであろうか、聞いてみたいものだ。