NO:4794 1月4日『トルコマネー・ロンダリング100億ドルの罰金か』

2018年1月 3日

 

 ここに来て、今まであまりニュースにならなかった、トルコのイランへのマネー・ロンダリングの話が、ぶり返してきている。それはトルコをめぐる出来事が、多すぎるために重要度が、下がっているからであろうか。

 トルコの野党第一党CHPの幹部が、トルコはアメリカによって、100億ドルの罰金を取られる、と語ったのだ。この情報はジュムフリエト紙によっても、報じられている。アメリカ政府はイランに対する経済制裁破りを、トルコの銀行がしていたことで、100億ドルの罰金を果たす、というものであり、その銀行は国営のハルク・バンク、代表はアッチラ氏だ。

 アッチラ氏の犯罪が確定すれば、5年の刑務所暮らしと、100億ドルの罰金が果たされるということであり、銀行はハルク・バンク以外にも名が挙がっている。例えばズイラアト・バンク(農業銀行)やワクフ・バンク(宗教慈善銀行)の名も挙げられている。

 これらの秘密は全て、法取引のためにレザ・ザッラブが、証言したものであろう。彼は相当詳しい内容を、アメリカの司法側に語ったようだ。2013年の段階で彼がトルコで逮捕され、問題になった時点からの、一連の秘密が明かされたのだ。

 2013年の段階で、レザ・ザッラブがトルコ側によって、取調べを受けると、彼は与党AKPの幹部たちに賄賂を配り、エルドアン大統領とその家族にも配った。エルドアン大統領の子息ビラールは、彼の運営する青年教育財団にレザ・ザッラブから相当の寄付を取り付けている。

 レザ・ザッラブはエルドアン大統領に対し、彼の身の危険を感じ、警察のガードを依頼して、受け入れられてもいる。彼に対する取調べは、エルドアン大統領による、警察、検察の更迭で、ストップしているのだ。これらの一連の秘密は、その後、アメリカ側に伝わることとなった。

 それは、イスタンブールの警察フセイン・コルクマズが、アメリカに資料を持ち出し、亡命したためだ。その持ち出した資料のなかには、事件の核心に繋がるものが多く、エルドアン大統領と子息ビラールの、賄賂の金を処理する電話での、やり取りのテープなども、含まれている。

 この秘密の資料がアメリカの手に渡った結果、アメリカはエルドアン大統領を、第一の重要人物と捉え、チャーラヤンや元ハルク・バンクの責任者であるスレイマン・アスランの名も出てきている。これらの人物に対する調査と分析は、既にアメリカの司法当局によって煮詰められているものと思われ、ニューヨークでの裁判はそのセレモニーに、過ぎないのではないのか。

 裁判は1月3日から始まることになっているが、その場で何が飛び出してくるのか、アメリカ政府はエルドアン大統領に、どう対応するのか見物だ。もし、厳しい判決が出れば、エルドアン大統領はインターポールによって、逮捕されることになろうから、一歩も国外に出られなくなる、可能性がある。

また、100億ドルの罰金をトルコが払わなければ、トルコからは1ドルの外国送金も不可能になろう。その事は、トルコが貿易出来なくなるということであり、外国から兵器を買うことも、不可能となろう。いまトルコがロシアから、買い付けることになっている、S400ミサイルの取引も、駄目になるのではないか。それはまさにアメリカの望むところであろう。