NO:4793 1月3日 『イラン状況は危険水域・行くな!』

2018年1月 2日

 

 イランの国内状況は、危険水域に突入したのではないか、と思っている。外国の専門家は、イランの体制はあらゆる手段を講じて、デモを押さえ込むだろう、と予測している。つまり、それだけ危険な状況に、イラン国内は向かっている、ということだ。

 既に、デモ参加者たちはロウハーニ大統領と、間接的ではあるがハメネイ師を、非難し始めているのだ。一部軍や警察署も襲撃され、武器が奪われた、という情報も伝えられている。

また、デモ隊に対して警察が、実弾を発砲してもいるのだ。加えて、イランのクルド組織PJAKがデモを支援する、と戦闘体制を取り始めているのだ。彼らは本格的な戦闘集団であり、彼らの背後には、トルコのPKKが控えており、PKKの参戦もありうる、と考えている専門家もいる。

 また、イランのノーベル賞受賞者であるエバデイ女史も、デモが激化することを予測している。確かにそうであろう。デモは一部地方都市だけではなく、全国に広がっており、首都テヘランでも始まっているのだ。

 こうしたデモが大規模化していくには、流血が決め手となろうが、既に10人あるいは12人が、犠牲になったと伝えられており、負傷者の数は相当なレベルに、達していよう。またその状況が逮捕者の数も、50人を超えたと報じられている。デモの状況が全国民人に伝わることを恐れ、イラン政府はテレビでの、デモ報道に規制をかけている、と伝えられている。

 いまのところ、ロウハーニ大統領がデモを止めろと呼びかけても、何の効果も無く、デモは逆に拡大しているようだ。このデモのなかで、初めて警官の死亡が伝えられているほどであり、いかにデモが激しさを、増してきているのか分かろう。

 こうした国内騒乱が起こると、決まって外国の陰謀、関与が、その国によって非難されるが、イランの場合も然りであり、イラン政府はアメリカとイスラエルの関与を、声高に非難している。

 確かにそうであろう、アメリカのトランプ大統領は、デモを激励するメッセージを、発しているのだ。彼曰く『イラン体制は打倒されろ!』だ。また、イスラエルもイランのデモを大きく取り上げており、イラン政府によるイスラエル関与非難に対して、笑止千万とネタニヤフ首相は、イラン政府によるイスラエル抗議を、一笑に付している。

 そもそも、今回のイランのデモは、イラン国民の失業、物価高、政府高官の汚職、などに対する抗議行動として、始まったものであり、原因そのものは、イランにあったわけだ。それにアメリカ・イスラエルが、関与していることは、事実であろうが、後付けではないのか。

アメリカとイスラエルは、イラン国内でデモが起こったことで、これを支持し、煽り、大規模なものにしていこう、とは考えているのであろう。ただ腑に落ちないのは、デモが一斉に全国規模で、始まっているということだ。つまり、何らかの組織が、デモを起こしたのであろう、と思われる点だ。

イランの日本大使館は、未だに危険意識を、感じていないのではないか?その最大の理由は、大使館スタッフがあまり、下町に足を向けないこと、高級住宅街にいることに、よるのでは無いか。バハレーン政府は既に、イラン行きに禁止命令を、出しているのだが。