『シリア国境防衛隊にIS参加の情報』

2018年1月17日

 

 アメリカ政府がSDF(YPGの関連組織)を、拡大し訓練して、トルコ・シリア国境の、防衛軍を結成している。その規模は30000人というのだから、形だけではなく、戦闘能力を有する、ものになるだろう。

 それは当然トルコとアメリカ、クルドの関係を、より複雑化させ、エルドアン大統領は烈火のごとく、怒りまくっている。アメリカの意向を無視してでも、この国境防衛軍をせん滅する、と息巻いているのだ。

 30000人の国境防衛軍は、半数がSDFそのものであり既に訓練もできている。残りをアラブ人やトルコマン人で埋め合わせる、という計画なのだが、ここにきてとんでもない情報が、流れ出してきている。それは国境防衛軍にIS(ISIL)が参加する(参加している)という情報だ。

 シリアやイラクで敗退したIS(ISIL)は、その後、シリアとイラクの各地に散らばっているが、そのうちの相当数がこの国境防衛軍に、参加する方向であり、すでに参加している者もいる、ということだ。

 実はデルズールの戦闘の後、斬首死体が発見されたのだ。この手法はIS(ISIL)以外には、やらないことから、戦闘員の中にIS(ISIL)の残党が、参加しているという話が、真実味を持ってきているのだ。

 IS(ISIL)は殲滅されたかのように、伝えられているが、そうでもないらしく、最近ではイドリブでも彼らの姿が、目立ち始めIS(ISIL)は戦闘を再開させる、と言い出しているのだ。

 そもそも、このIS(ISIL)の国境防衛軍への、参加という話は、根も葉も無い話ではない。IS(ISIL)はアメリカによって、結成された組織であり、これまでクルド・ミリシアとのなれ合い戦を、やってきているのだ。

 クルド・ミリシアが突然大善戦し、世界の関心を集めたのは、シリア北部のコバネの戦いだったが、それまで負けを知らなかったIS(ISIL)軍が、あっけなく新生のクルド・ミリシアに、負けたのだ。

 つまりIS(ISIL)もクルド・ミリシアも、アメリカによって支えられている、組織だということだ。しかも、クルド・ミリシアもIS(ISIL)も、反アサドの立場で戦ってきているのだ。

 NATO代表は境防衛軍の結成について、『国境防衛軍結成については、何の相談もアメリカから受けなかった。』つまり、関与していないと言っている。それはそうであろう。NATOが関与していたということになれば、トルコもNATOのメンバー国であることから、大問題になろう。

 アメリカの考える中東政策が、いかにでたらめであるかということが、この一件からも分かろう。アメリカはIS(ISIL)幹部の逃亡を助けてきたし、その前の段階から、武器を与えても来ているのだ。