このところ、IS(ISIL)による同士殺害が、増えているようだ。つまり、内部で命令に従わない者を殺す、という最悪の事態が、起こっているということだ。そこまでIS(ISIL)は、追い込まれているのであろう。
これまでは幹部の命令通り、多くの戦闘員が特攻作戦に参加し、処刑を喜んで行っていたのだが、ここにきて、どうもその命令が思うように、実行されなくなってきている、ということだ。
イラクのサラーハデーン地域で、IS(ISIL)の幹部が発した爆弾攻撃(たぶん特攻作戦であろう)が拒否され、その戦闘員はIS(ISIL)によって、処刑さてたということだ。
ムタイビーヤという地域でも、同様の命令拒否による、処刑が行われている。そのことは、命令拒否がIS(ISIL)内部で頻発していることを、示しているのではないか。
イラクとシリアの国境地帯でもしかりだ、IS(ISIL)にとってこの地域は、極めて重要であることを考えた場合、命令拒否はIS(ISIL)を窮地に、追い込むことになる。
イラクとシリアの国境地帯、ユーフラテス川岸地域の渓谷地帯は、IS(ISIL)にとって最後の、集結場所になっている。そこには、イラクからもシリアからも、IS(ISIL)の戦闘員や家族が、逃れてきているのだ。
この、イラクとシリアの国境地帯では、ハシド・シャアビーという名の、政府寄りのミリシアが、IS(ISIL)に対して、攻勢に出ているようだ。IS(ISIL)の敗色が濃いからであろうか、IS(ISIL)の戦闘車両2台が破壊されたという報告もある。これはサフク地域で起こったもので、多くのIS(ISIL)S戦闘員が、殺害されたようだ。
こうした状況を見て、イラクのアバデイ首相は『我々はイラク・シリア国境地帯を、完全に支配できている。それはIS(ISIL)との戦闘が、終了したことを意味する。』と語っている。
何事もそうであろうが、イラクやシリアのIS(ISIL)も、他の例に見るように、敗色が明らかになってきた途端、弱腰になっているのであろうか。そうしたなかでの、仲間に対する処刑は、逆効果と思われるのだが