[ 国連代表サイフルイスラームの立候補に反対]

2017年12月28日

 

 国連がいまチュニジアに派遣している、リビア担当代表ガッサーン・サラーマ氏は、2018年のリビアの選挙で、カダフィ大佐の子息サイフルイスラーム氏が、立候補することに、反対している。

 反対の根拠は、サイフルイスラーム氏がいまだに、国際的に犯罪者として逮捕される形に、なっているからだ。サイフルイスラーム氏はズインタンに、7年近く拘束されていたが、人道上の理由から、東リビア政府が釈放を認め、現在リビアの東部にいるだろう、と言われている。

 ガッサーン・サラーマ氏はサイフルイスラーム氏との、会談を拒否しているが、それは、会談すれば大きな影響を、リビア国内政治に、及ぼすことになるからであろう。

 リビアはいまだに王政派、革命派、カダフィ派などに分かれている。また、地方間の対立も強く、東西と南の地域に、分かれているのだ。既存の議員たちは、新たな選挙が実施されることに、反対しているが、現状はリビアの権力は、東西に分かれていることもあり、問題であろう。

 ガッサーン・サラーマ氏が統一リビア政府を作りたいので、近くチュニジアからリビアのトリポリに、事務所を移すと語っている。もちろん、現状でもリビア人が第三の政府を、創りたいとは考えていまい。

 ただガッサーン・サラーマ氏がチュニジアから、リビアのトリポリに事務所を移し、選挙に乗り出すとなると、事務所の経費や人件費、事務所の機材など、相当の資金が必要となろう。

 ガッサーン・サラーマ氏が考えている、新しいリビアの政治家たちとは、女性であり若者、ということのようだが、それは国際的に、あるいは欧米では評価されても、難しいリビアの国内政治を、コントロールしていける、とは考え難い。

 カダフィ大佐の子息、サイフルイスラーム氏の登場が、待たれているのは、リビアではカリスマ性を持った、リーダーの登場が必要だ、ということをリビア国民が、一番分かっているからであろう。

 民主的、新たらしい政治の風、といった一見聞こえのいい言葉で、生まれる新政府は、リビアを統治していけるとは、到底思えない。単に、新たな内紛をリビアに、産むだけではないのか。