『ふらつくアメリカ強み見せる露』

2017年12月15日

 

 シリアでのISISIL)対応では、アメリカは何をしたのであろうか。実はISISIL)はMade inUSAであり、資金武器戦闘員などを、サウジアラビアやカタールと協力しながら、支えてきたと多くの識者たちは見ている。

 アメリカによる空輸投下による、武器物資のISISIL)への支援は、シリアで何度も目撃されていた。この報道はヨーロッパでも、多数報道されており、決して反米派の報道、とは言えない。敗色国したシリアで、アメリカ軍のヘリが、IS(ISIL)の幹部を救出している映像も、広く報道された。

 結局はシリアの問題に、真正面から対応したロシアが、シリア政府ばかりではなく、多くのアラブ諸国から、正当な評価を受けることとなった。それはロシア軍によるIS(ISIL)への攻撃を通じて、ロシア製兵器の品質の評価を、高めることにもなった。

 親米派のサウジアラビアやトルコなどが、アメリカ製兵器ではなく、ロシアの兵器を購入する動きが始まり、それは今後、他の国々にも広がって行こう。そうなると、アメリカは中東の兵器市場を、失うことになるのだ。

 こうした状況に慌てたアメリカは、シリアでのロシア軍の勝利と、アサド体制堅持に対して、『勝利はアメリカの貢献によるものだった。』と言い出している。ロシアはそれを『ロシアの成果をアメリカは盗もうとしている。』と非難している。

それは、ナチス・ドイツのゲッペルスの、手口と同じではないか。嘘も100遍繰り返せば本当になる、という考え方だ。アメリカはいま世界のマスコミを支配しており、大量に嘘を報じ続ければ、その嘘も真実として受け止められる、とでも思っているのであろうか。

このアメリカ政府の手法は、すでにアメリカ国民から、信用されなくなっており、アメリカ国民は大手マスコミではなく、心ある人たちのブログの伝えるニュースを、信じるようになってきている。

アメリカの嘘が何時までも、通じるはずはなかろう。誰もシリアの勝利を、アメリカの支援によるとは考えていまい。あまりにもロシアの貢献が、大きく成功したからだ。それをアメリカによると信じるのは、国際情勢音痴の日本ぐらいなものであろう。

ロシアはその結果、これまで維持してきたシリアの、タルトースの軍港を拡張整備し、加えてラタキアの空軍基地を、整備することができるようになった。それだけシリアのアサド大統領に、ロシアは感謝され信頼された、ということであろう。

この変化はエジプトにも、影響を与えている。ロシアのプーチン大統領が3度目のカイロ訪問をし、そこで両国のあらゆる面での協力が話し合われ、そのなかには軍事協力も含まれており、しかも、武器の取引も含まれていた。

ロシアがどんどん中東に橋頭保を確保拡大するなかで、アメリカは逆にどんどん兵器市場を失っている、ということだ。それを決定づけたのが、トランプ大統領による『エルサレムはイスラエルの首都であり、アメリカ大使館をエルサレムに移転する。』という決定であったろう。この発言後、アメリカは種々の言い訳をしているが、そんなものはもうアラブ諸国にも、イスラム諸国にも信用されまい。