トルコの第二の首都ともいえるイスタンブールで、エルドアン大統領が緊急に呼びかけた、57国をメンバーとするOIC(イスラム諸国会議)が開催された。その成果はどんなものになるのか、余り期待も持たずに待っていたが、以下のような内容だ。
まずOICサミットと言うが、どれだけの大統領や、国王がイスラム諸国から集まったのかということだが、残念なことにエルドアン大統領、ヨルダンのアブドッラー国王、イランのロウハーニ大統領、バングラデッシュのアブドルハミード大統領、アゼルバイジャンのアリエフ大統領の5人でしかなかった。これではとてもサミットとは言えまい。
サウジアラビアからは宗教担当大臣が出席し、アラブ首長国連邦、モロッコ、カザフスタンなどからは、閣僚レベルの参加にとどまった。それも無理はない、このイスタンブールのOICの前には、アラブ外相会議がカイロで開催されていたのだ。主要メンバー国は二番煎じの会議に、まじめに参加するつもりはなかったということだ。
実はこの会議は、エルドアン大統領が国威発揚と、彼の売名行為の目的で、開催されたものであったろう。それはあくまでも、トルコ国民に対して、いまアメリカとの間で、問題になっている、ザッラブ賄賂スキャンダルを、ごまかすためでもあったろう。
会議の共同声明には、以下のような項目が盛り込まれているが。予測されうるものであり、何の実質的な効果もあるまい。声明はそれでも盛りだくさんで、21項目にも及ぶものであった。その一部を紹介する
:米大統領のエルサレムに関する決定に強く反対する。
:エルサレムとパレスチナ問題は、すべてのイスラム諸国の主要課題である。
:完全な和平の実現と、2国家設立を支持する
:エルサレムの地位を揺るがす危険な決定は拒否する。
:アメリカ政府の違法な決定は認めない。
:東エルサレムはパレスチナ国家の首都である。
:エルサレムに関する歴史的決定を支持する。
:1980年安保理決定478を支持する。
:パレスチナ政府の国際機関へのメンバー国としての参加を支持する。
:イスラエルのパレスチナ人に対する暴力を非難する。
:パレスチナ国家設立への物質的支援を行う。
:イスラム開発連帯基金を通じて、パレスチナへの援助を行う。
これらの項目は今までに何度も語られ、決議されてきたことであり、何の新味もない。 従って会議後に何も生み出すまい。援助が決まってアッバース議長はほくそ笑み、イスラエルは笑っていよう。アメリカのトランプ?❓なんだそれは関心ないよ、ということであろう。