『中東短信』 

2017年12月 4日

:イエメンホウシはUAEにミサイル攻撃

 イエメンのホウシ派がUAEの核施設を、ミサイルで攻撃したと発表した。これについて、UAE側は攻撃があったことを認めながらも、核施設に被害はなかった、と発表している。

 ホウシ派はミサイルを自前で製造しており、アラブのいかなる場所も、攻撃出来るようになった、とも語ったが、どうも信用しかねる。それほどの技術的レベルには、ホウシ派は至っていないであろう。

 確かに、アラビア海側からであれば、アブダビにミサイルが届くはずだが、それほど正確に飛んだとも思えない。つまり、ミサイルを発射した側のホウシ派にとっても、攻撃を受けた側のアブダビ側にとっても、このニュースは利用価値がある、ということであろう。

 アブダビにしてみれば、ホウシ派は核施設ですら攻撃をしてくる、野蛮な連中だと断定でき、ホウシ派はそれだけの軍事力を有している、と豪語出来よう。しかし、それはどちら側にも、実質的な被害を生み出すまい。

 

:シャフィーク元首相エジプトに帰国

 エジプトがムバーラク政権の時代に、首相職を務めたシャフィーク氏が、亡命先のUAEから帰国した。帰国に際してはフランス経由で、カイロに入る予定であったようだが、UAEから追放されエジプトに直行で帰国させられた、と伝えられている。

 この辺の話は、真実がいかにあるかまだ分からないが、シャフィーク氏は帰国後、自宅には戻らず、ホテルに滞在しているようだ。そこで彼は書類を整理して、次の段階に挑む方針のようだ。

 シャフィーク氏は来年行われる、エジプトの大統領選挙の有力な候補者であり、彼はモルシー後の選挙で、現在のシーシ大統領の票を上回っていた、と言われているが、落選となりUAEに逃れていた、という経緯がある。

 現在、エジプトの経済は相当追い込まれており、しかも、テロ対策で失敗し、強硬策をシーシ大統領は取っているが、そのことが選挙には、悪影響を与えるかもしれない。そうなると、今後、シャフィーク氏が逮捕されたり、暗殺されることもありうる、ということではないか。

 つまり、エジプト国内政治はここにきて、急に緊張してきたということであろう。シーシ大統領はテロという敵と、政敵であるシャフィークという敵と、戦わなければならなくなったということだ。